2018年04月30日

袴垂、保昌にあふこと@

新学期を迎えた皆さんこんにちは!ゴールデンウィークですね!!
リクエストにお応えします。
〈本文〉 
 昔、袴垂(はかまだれ)とていみじき盗人の大将軍ありけり。十月ばかりにきぬの用ありければ、衣(きぬ)すこしまうけんとて、さるべき所々うかがひありきケルに、夜中ばかりに、人みなしづまりはててのち、月の朧(おぼろ)なるに、きぬあまたきたりけるぬしの、指貫(さしぬき)のそばはさみて、きぬの狩衣(かりぎぬ)めきたるきて、ただひとり笛吹きて、ゆきもやらず、ねりゆけば、「あはれ、これこそ、我にきぬえさせんとて、出でたる人なめれ」と思ひて、走りかかりて衣をはがんと思ふに、あやしく物のおそろしく覚えければ、そひて二、三町ばかりいけども、我に人こそ付きたれと思ひたるけしきもなし。いよいよ笛を吹きていけば、心みんと思ひて、足をたかくして走りよりたるに、笛を吹きながら見かへりたる気しき、取りかかるべくもおぼえざりければ走りのきぬ。かやうにあまたたび、とざまかうざまにするに、露ばかりもさわぎたるけしきなし。「稀有(けう)の人かな」と思ひて、十餘(よ)町ばかりぐして行く。「さりとてあらんやは」と思ひて、刀をぬきて
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〈juppo〉久しぶりに宇治拾遺物語です。今回はネットでテキストを探すことなく、手元にあった角川文庫ソフィア『宇治拾遺物語』を参考にしました。


これです。訳は載っていませんが、なんとなくで読めます。今回は漫画にするのでいろいろ調べて訳しましたが。

 袴垂という盗賊は、「袴垂保輔」とされることもあるそうですが、文庫の注釈には「別人」だとあります。保輔はここに登場する保昌の弟だそうです。保昌はまだ名乗られてないですね。でもタイトルにあるので、当然この笛を吹いてる人が保昌ですよね。

 「指貫のそば」を「指貫の股立」と訳してありますが、「股立って何さ」と思いながら訳してました。袴に詳しい人なら現代でも常識な言葉なのかもしれません。袴の腰の、脇のすき間が空いた部分のことなんですね。そこを帯に挟んで裾を上げているということらしいです。なぜそんなことをしているのかは、ナゾです。多分歩きやすくするためでしょう。夜道なので。
 夜道を笛を吹きながら歩いている理由もナゾなんですよね。風流な人はただ帰宅するのにも楽器を奏でながら歩いたんでしょうか。今でいう鼻歌くらいな感じで。

 そうやってゆるゆる歩いているだけなのに、襲おうとしても襲えない、身にまとう物のおそろしさがあるというんですね。その、おいそれと手が出せない雰囲気が漫画に描ききれているとは到底思えないのですが、とてもそう思えないのに手が出せない恐ろしさ、なんてものがあるのだろうなと思ってください。

 とは言え、このままただついて行くだけでは、と意を決した袴垂であります。続きます。


 そんなわけでゴールデンウィークに突入しましたね。最近、平日が人並みに忙しいので、休みになったらあれこれしようと思いつつ、休みになると何にもしたくない症状に陥りそうです。夕方の「カーネーション」の再放送を見ているうちに、沸々とミシン踏みたい気持ちにもなってくるのですけど。
posted by juppo at 01:11| Comment(0) | 宇治拾遺物語 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月08日

宮にはじめてまゐりたるころH

最終回です!!ああ〜、長かったですねぇ〜。
〈本文〉
とあるに、めでたくもくちをしうも思ひみだるるにも、なほ昨夜(よべ)の人ぞねたくにくままほしき。「『うすさ濃さそれにもよらぬはなゆゑに憂き身のほどを見るぞわびしき』なほこればかり啓し直させ給へ。式の神もおのづから。いとかしこし」とて、まゐらせてのちにも。うたてをりしも、などてさはたありけんと、いとなげかし。
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〈juppo〉最後の2回分は、8コマで1回分にまとめられるかな、と思ったら長いので2回に分けたのですが、残った分がまた微妙な長さで、4コマにしても良かったのですけど何とか薄めて伸ばして6コマにしました。最初のコマなんて大分薄まってますよね。結構その回ごとに、行き当たりばったりで描いています。
 6コマにした結果、6通りの清少納言さんのリアクションをお楽しみいただくだけの回になった感じです。

 前回に引き続き、くしゃみ犯を恨み続ける清少納言さんです。くしゃみなんて生理現象ですから、タイミングが悪かったとしても当人のせいではないのに、自分の立場でしか物を考えられないレベルに恨んでますよね。こんな失態は「サザエさん」だったら山ほど出てくると思いますが、この時の清少納言さんにとっては生涯の汚点だくらいの嘆きなんですね。若さなんですかねー。

 今年の花粉症はいつもより重めで、私もまだくしゃみに苦しめられています。それに今年はいつもより目が痒いです。ということは、杉よりヒノキに反応しているのでしょうか。花粉症との付き合いが長いわりにちゃんとした診断を受けたことがないので、毎年正確に何の花粉症なのか自分ではわかってないんですよね。ただ鼻をかんでいます。

 そして先日、ついに「ペリーヌ物語」を全話見終えました。感動しました。感動で余計鼻をかむ羽目になった今年の春でした。
 ひとりでくじけず生きてきたペリーヌも偉いのですけど、何と言ってもビルフラン様お抱えのフィリップ弁護士が有能すぎです。弁護士なのに後半は探偵と化しています。見たところそうお若くもないのに、単身インドに行かされたりヨーロッパ中を調べ歩かされたりしていたかと思うと、感動を超えて心配になってくる終盤でした。無事にペリーヌの身の上が明かされて、フィリップ弁護士も重責を解かれて本当に良かったです。おそらく本放送の時はこんな心配はせずに見てたんですよね。失礼いたしました、フィリップ弁護士。

 鶴ひろみさん追悼の気持ちで見始めた「ペリーヌ物語」でしたが、ちょうど見終わったところで高畑勲氏の訃報のニュースに触れました。高畑さんはペリーヌには携わっていらっしゃらないようですが、その後番組だった「赤毛のアン」で脚本・演出担当だったんですね。せっかくなので続けて「アン」を見ようかなぁ、と考えています。
posted by juppo at 22:32| Comment(2) | 枕草子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする