2019年05月21日

虫愛づる姫君C

順調に続きをお届けします。ヒマなので、ミシン踏んだりしていますよ。
〈本文〉
左近といふ人、
 冬くれば ころもたのもし寒くとも
  かはむし多く見ゆるあたりは
「衣(きぬ)など著(き)ずともあらなむかし」など言ひあへるを、とがとがしき女聞きて、「若人
たちは、何事言ひおはさうずるぞ。蝶めで給ふなる人も、もはらめでたうもおぼえず。けしからずこそおぼゆれ。さて、又(また)かはむしならべ、蝶と言ふ人ありなむやは。ただそれが蛻(もぬ)くるぞかし。そのほどを尋(たづ)ねてし給ふぞかし。それこそ心深けれ。蝶はとらふれば、手にきりつきて、いとむつかしきものぞかし。又蝶はとらふれば、わらは病(やみ)せさすなり。あなゆゆしともゆゆし」と言ふに、いとどにくさまさりて言ひあへり。
 この虫どもとらふるわらはべには、をかしきもの、かれがほしがるものを賜へば、さまざまに恐ろしげなる虫どもを取り集めて奉る。かはむしは毛などはをかしげなれど、おぼえねばさうざうしとて、
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〈juppo〉口さがない侍女たちの姫へのディスりは続きます。と、そこにまたお約束のようにうるさい上司が登場するんですねー。この人はどういう人なのか詳しく書かれてないですが、「とがとがし」がもともと大人のことを言ってたのが誤って伝わってる説もあるようなので上司にしときました。そこまで解釈しなくても、話してる内容から年上の人が説諭に現れた、という感じに読めますよね。
 しかしそういう場合、たしなめられた側にとっては火に油を注いだも同然で、結局侍女たちの陰口は止まる気配がないのでありました。

 そんなやり取りは知る由もなく、虫集めに無心の姫です。虫を可愛がる姫は小さい子どもにも親切ですね。ちゃんとご褒美をあげて手なずけています。
 最後のコマで毛虫を物足りないと言っているのは、毛虫から故事や詩歌など思い出されるものがないので何か物足りない、という意味だそうですが、「おぼえねば」の意味はよく分からないセリフみたいです。
 虫を愛でて観察するに飽き足らず、文学的な側面からも楽しもうとする姫、と押さえておけば良いでしょうか。とりあえず。
 続きます。また来週、と思っています。

 
 ミシン踏んでワンピース作りました。
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posted by juppo at 00:31| Comment(0) | 堤中納言物語 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする