〈原文〉
宋人有耕田者。田中有株。
兔走触株、折頸而死。
因釈其耒而守株、冀復得兔。
兔不可復得、而身為宋国笑。
〈書き下し文〉
宋人に田を耕す者有り。田中に株(くひぜ)有り。
兔走りて株に触れ、頸を折りて死す。
因(よ)りて其の耒(すき)を釈(す)てて株を守り、復(ま)た兔を得んことを冀(こひねが)ふ。
兔復た得(う)べからずして、身は宋国の笑ひと為る。

〈juppo〉「株を守る」というタイトルを初めて目にしました。てっきりトレーダーの話かと思ったら、というのはウソですが、読み始めてみたらなんと、唱歌「待ちぼうけ」ではないですか。
♪待ちぼうけ〜♪待ちぼうけ〜♪ある日せっせと・・・のお話に元ネタがあったとは。
出典は、韓非子の「五蠹(ごと)」の中にある説話で、古い習慣にこだわって融通がきかないとか、幸運が舞い込むことに期待しすぎることなどを戒める意味を含んだお話なのですね。
「守株待兔(しゅしゅたいと)」という四字熟語もございます。
えーと、もう他に言うことはないですね。見た通りのお話ですからね。あ、一つだけ。冒頭は「田を耕す者有り」ですが「畑」にしちゃいました。スキを使ってるし。切り株のある畑が田んぼの隣にあるとかそういうシチュエーションにしても良かったのですけど、それほど大きな問題ではないかなと。どっちにしろ何も耕してないし、結局。