「夕顔」最終回です。
〈juppo〉人が一人亡くなるのは大ごとです。それを秘密にしておかなければならないのはさらに重大事ですね。おぼっちゃま育ちの光源氏は体調を崩してしまったようです。短く終わった恋の思い出は尽きないようで、もっとああすればこうすればと後悔に苛まれるのも、お約束です。
そんな中でも頭中将にはどう対応しようかという点は冷静に判断していますね。こと女性のこととなると、考えが高速で駆け巡るのが光源氏です。モテ男に必須な才能と言えるでしょう。
夕顔に小さい娘がいると知って、その子を手元に置きたい、と咄嗟に反応しているのもまた、生まれ持った才能、いや本能ですね。
前回さらっと登場した伊予介(いよのすけ)は、「帚木」で説明だけしてありましたが、空蟬の旦那です。伊予の国(愛媛県)のお役人です。国に帰ったということは、伊予の国に行ってしまったということで、空蟬も連れて行ってしまったので、空蟬は光源氏にとって片想いで終わった女性なんですね。
奥さんもいてあちこちの女に手を出して、ルンルンだった光源氏の「青春の蹉跌」です。
次回は「若紫」です。ああ、てことはもうあの人を見つけて恋に落ちる光源氏なのだな、と思われる方も多いかと。そう思わない方も、そういう物語です。
昨年の秋から塾の先生に復帰した私は、春期講習に通う日々です。春休みにまで勉強する生徒の皆さんには頭が下がります。私も頑張ります。