立て続けに参ります。続きです。
〈本文〉
かく思はずと、友だちども思はる。』などこそ見えて侍れ。
君の御ありさまなどをば、いみじくめでたく思ひ聞こえながら、つゆばかりもかけかけしくならし顔に聞こえ出でぬほどもいみじく、また、皇太后宮の御事を、限りなくめでたく聞ゆるにつけても、愛敬(あいぎやう)づきなつかしく候ひけるほどのことも、君の御ありさまも、なつかしくいみじくおはしましし、など聞こえ表したるも、心に似ぬ体(てい)にてあめる。かつはまた、御心柄なるべし。」
〈juppo〉後編は短めです。今回、参考にさせていただいたサイトに、この部分が載っていたのでここまで描きましたが、この後も描いた方が良いですか?
最後の「かつはまた、御心柄なるべし」を別の人物(尼)に言わせてしまいましたが、ここまでひとりの人のセリフですね。誰の発言かはテストに出ないと思うので、ご容赦ください。出たらすみません。
そしてそのあたりの解釈は、よく分からないまま直訳してしまってます。
道長や彰子のことを、とっても素敵だったように書いてるのが紫式部らしくないんだけど、本人らが本当にそういう人だったからありのままなんじゃないか、という意味かなぁ、くらいの私の解釈で描きました。
千年後の私たちにも、本当の紫式部像は計り知れないものがありますが、この頃の方たちにとっても、想像を駆り立てられる遠い世界の人だったんですね。200年くらい隔たっているようですからね。
この後は、また源氏物語ダイジェストに戻る予定です。「紅葉賀」を鋭意まとめ中です。まとめ始めてから3ヶ月くらい経ってますけど。
2024年10月09日
2024年10月08日
紫式部@
大変長らくご無沙汰いたしました。源氏物語ダイジェストの続きがなかなかお届けできないまま、今回はリクエストにお応えしております。『無名草子』です。
〈本文〉
「繰り言のやうには侍(はべ)れど、尽きもせず、うらやましく、めでたく侍るは大斎院より上東門院へ、『つれづれ慰みぬべき物語や候(さぶら)ふ。』と尋ね参らせさせ給(たま)へりけるに、紫式部を召して、『何をか参らすべき。』と仰せられければ、『めづらしきものは、何か侍るべき。新しく作りて参らせ給へかし。』と申しければ、『作れ。』と仰せられけるを承りて、源氏を作りたるとこそ、いみじくめでたく侍れ。」
と言ふ人侍れば、また、
「いまだ宮仕へもせで、里に侍りける折、かかるもの作り出(い)でたりけるによりて、召し出でられて、それゆゑ紫式部といふ名は付けたり、とも申すは、いづれかまことにて侍らむ。その人の日記(にき)といふもの侍りしにも、『参りける初めばかり、恥づかしうも、心にくくも、また添ひ苦しうもあらむずらむと、おのおの思へりけるほどに、いと思はずにほけづき、かたほにて、一文字(いちもんじ)をだに引かぬさまなりければ、
〈juppo〉暑すぎる夏もようよう終わりになりそうですね。皆さまいかがお過ごしでしょうか。思い返すと今年の夏も、熱中症と日々戦っていただけで過ぎてしまった気がします。地球沸騰化の夏を生き延びただけで良しとするか〜という心境です。
さて今回は久しぶりに「無名草子」から『紫式部』です。「無名草子」は以前、だいぶ以前、「源氏物語」の部分を描いたぶりになりますが、ここはその前にくる文章でしょうか。
「無名草子」は女たちが古典の作品や作家を批評し合っている会話文で出来ていますよね。その会話が、誰の発言なのかよく分からないまま進んでいくのですが別に誰であろうと、内容に差し障りはない作りになってると思います。ただ、セリフの中に式部の日記の文が差し込まれていたり、ざっと読むと分かりにくい構造ではあります。
大河ドラマのおかげで「源氏物語」成立の詳細にも注目されていますが、ここでは、彰子からのリクエストで書き始めた説と、出仕以前にもう書いていたので宮中に取り立てられた説を並べて、議論しているようです。その諸説あります問題に答えは出ないけど、とりあえず素晴らしいわね!と盛り上がっている女たちです。
1コマ目「大斎院」は村上天皇の皇女の選子さん、「上東門院」は大河ドラマでもおなじみの、彰子さんです。
もう1回続きます。近日中に。
〈本文〉
「繰り言のやうには侍(はべ)れど、尽きもせず、うらやましく、めでたく侍るは大斎院より上東門院へ、『つれづれ慰みぬべき物語や候(さぶら)ふ。』と尋ね参らせさせ給(たま)へりけるに、紫式部を召して、『何をか参らすべき。』と仰せられければ、『めづらしきものは、何か侍るべき。新しく作りて参らせ給へかし。』と申しければ、『作れ。』と仰せられけるを承りて、源氏を作りたるとこそ、いみじくめでたく侍れ。」
と言ふ人侍れば、また、
「いまだ宮仕へもせで、里に侍りける折、かかるもの作り出(い)でたりけるによりて、召し出でられて、それゆゑ紫式部といふ名は付けたり、とも申すは、いづれかまことにて侍らむ。その人の日記(にき)といふもの侍りしにも、『参りける初めばかり、恥づかしうも、心にくくも、また添ひ苦しうもあらむずらむと、おのおの思へりけるほどに、いと思はずにほけづき、かたほにて、一文字(いちもんじ)をだに引かぬさまなりければ、
〈juppo〉暑すぎる夏もようよう終わりになりそうですね。皆さまいかがお過ごしでしょうか。思い返すと今年の夏も、熱中症と日々戦っていただけで過ぎてしまった気がします。地球沸騰化の夏を生き延びただけで良しとするか〜という心境です。
さて今回は久しぶりに「無名草子」から『紫式部』です。「無名草子」は以前、だいぶ以前、「源氏物語」の部分を描いたぶりになりますが、ここはその前にくる文章でしょうか。
「無名草子」は女たちが古典の作品や作家を批評し合っている会話文で出来ていますよね。その会話が、誰の発言なのかよく分からないまま進んでいくのですが別に誰であろうと、内容に差し障りはない作りになってると思います。ただ、セリフの中に式部の日記の文が差し込まれていたり、ざっと読むと分かりにくい構造ではあります。
大河ドラマのおかげで「源氏物語」成立の詳細にも注目されていますが、ここでは、彰子からのリクエストで書き始めた説と、出仕以前にもう書いていたので宮中に取り立てられた説を並べて、議論しているようです。その諸説あります問題に答えは出ないけど、とりあえず素晴らしいわね!と盛り上がっている女たちです。
1コマ目「大斎院」は村上天皇の皇女の選子さん、「上東門院」は大河ドラマでもおなじみの、彰子さんです。
もう1回続きます。近日中に。