2007年03月16日

芥川A

お待たせしました。つづきです。
〈本文〉
やうやう夜も明けゆくに、見れば率て来し女もなし。足ずりをして泣けどもかひなし。

 白玉かなにぞと人の問ひし時露と答へて消えなましものを
 
これは、ニ條の后のいとこの女御の御もとに、仕うまつるやうにてい給へりけるを、かたちのいとめでたくおはしければ、盗みて負ひていでたりけるを、御兄人(せうと)堀河の大臣(おとど)、太郎國經の大納言、まだ下らふにて内へまいり給ふに、いみじう泣く人あるをききつけて、とどめてとりかへし給うてけり。それをかく鬼とはいふなりけり。まだいと若うて、后のただにおはしける時とや。

akutagawa2.jpg
〈juppo〉3コマ目から最後までの、ニ條の后の話は、後から付け足されたものなんだそうです。教科書にはこの部分は載っていなかったりします。私も蛇足だなーと思うのですが、一応『伊勢物語・第六段』としてはここまでなので、漫画にしました。「白玉か・・」の歌は、訳で読むより「消えなましものを」という文語の方が口惜しさが伝わってきて悲しいですよね。
posted by juppo at 23:20| Comment(1) | TrackBack(0) | 伊勢物語 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
最後の部分は確かに教科書にはありませんでした.普通の男を鬼にして神話みたいにしてしまうなんて昔の人は大げさなんですね
Posted by さくさく at 2011年01月23日 11:20
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