2007年03月22日

いなかの児(ちご)桜の散るを見て泣くこと

宇治拾遺物語です。
〈本文〉
 これも今は昔、いなかの児の比叡の山へ登りたりけるが、桜のめでたく咲きたりけるに、風のはげしく吹きけるを見て、この児のさめざめと泣きけるを見て、僧のやはら寄りて、「などかうは泣かせたまふぞ。この花の散るを惜しう覚えさせたまふか。桜ははかなきものにて、かく程なくうつろひさぶらふなり。されども、さのみぞさぶらふ。」と慰めければ、「桜の散らんは、あながちにいかがせん、苦しからず。わが父(てて)の作りたる麦の花の散りて、実のいらざらん、思ふがわびしき。」と言ひて、さくり上げてよよと泣きければ、うたてしやな。

inakanochigo.jpg
〈juppo〉桜の季節ですし、新学期も近いので易しい作品にしました。子供なのに風流な、と思って聞いてみたら予想外に現実的なことを言われてしまった、という話です。
「今は昔!」って定番のフレーズですよね。『今昔物語』(平安時代)でもおなじみです。『宇治拾遺物語』(鎌倉時代)ともども、伝承されていた説話を収めたもので、両者には重複している話もあるんですよ。『宇治拾遺』は時代も下ってきて平易な文で読み易いので、興味のある方は他の話も読んでみて下さい。読んでみると、およそ人の口を介して語り継がれ残っていく話というのは、「怖い話」「オチのある話」「下ネタ」に大別されるな、ということが分かります。あとはサイコロを振って「何が出るかな♪何が出るかな♪」と、夜な夜な村の寄り合いなんかでやってたんだろう、と想像してみて下さい。
そういう訳で、今回のお話は略して「オチばな〜」でした。
posted by juppo at 23:36| Comment(6) | TrackBack(0) | 宇治拾遺物語 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
わぁ!イラスト付きですごい分かりやすい(^ム^)

お久しぶりです、めぐみです。元気にされてますか?
わたしもこっちに来てもうすぐ1年だ〜 引越し当初からほんとお世話になりましたよね、心細いときに親切にしてくださったことに感謝しています。
また遊びにいきますね
もうすぐここを去っちゃうカモしれないのでー

ではまた覗きにきます
Posted by メグ at 2007年03月28日 19:28
めぐみちゃん!!
久しぶり〜っ!元気でしたか?コメントありがとう。そうかー、もう1年になるんですねぇ。Andrewから「メグミは今千葉にいる」って聞いてたけど(^_^;)ホントにどこかに行っちゃうことになったの?
時間あったら遊びに来ていろいろ聞かせてくださいねー。
Posted by 柴田 at 2007年03月28日 19:51
とてもわかりやすいです!!
これからもこのサイトを利用させて頂きます。
これからも頑張ってください♡
Posted by ぴよ at 2012年04月17日 22:31
ぴよ様

ありがとうございます!
これからもどんどん利用してくださいね。勉強頑張ってください!
Posted by 柴田 at 2012年04月17日 23:03
課題で、困っていたので 本当に助かりました。
わかりやすいイラストと訳がよかったです。
ありがとうございましたm(_ _)m
また、利用させて下さい💝
Posted by ようめん at 2012年08月19日 08:01
ようめん様

課題お疲れ様ですー。
暑いのに、しなければならないことがあるのは大変ですよね。

また他の作品でお役に立てそうなものがあれば、どうぞご利用ください!
Posted by 柴田 at 2012年08月19日 14:19
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