後編ですっ。
〈本文〉
風吹けば沖つ白波たつた山夜半(よは)にや君がひとりこゆらむ
とよみけるを聞きて、限りなくかなしと思ひて、河内へもいかずなりにけり。
まれまれかの高安に来て見れば、はじめこそ心にくもつくりけれ、今はうちとけて、手づからいひがひとりて、笥子(けこ)のうつは物に盛りけるを見て、心うがりていかずなりにけり。さりければ、かの女、大和の方を見やりて、
君があたり見つつを居らむ生駒山雲なかくしそ雨は降るとも
といいて見いだすに、からうじて、大和人来むといへり。よろこびて待つに、たびたび過ぎぬれば、
君来むといひし夜ごとに過ぎぬれば頼まぬものの戀ひつつぞふる
といひけれど、をとこ住まずなりにけり。
〈juppo〉ここで共通の疑問は、「女が自分でしゃもじでご飯をよそった事に何故男はがっかりしたのか?」ということですよね。この時代、ちゃんとした家柄の女はご飯をよそうなんてことは下女にやらせていたので、それを自分でしちゃうのはたしなみがない、ってことだったんだそうです。「そんなことは言い訳で、単に愛が冷めたんだろう」という読み方もあるようですけど。そういう見方をすれば、何度も何度も「いかずなりにけり」「住まずなりにけり」と繰り返しているのも、「行かなくなった、行かなくなった、要するに行かなくなったんだからもういいじゃないスか。めでたしめでたしってことで。」なんて言い訳に聞こえてくる感じもします。しつこいんだもん。
男女の間に行き交う歌はとても愛がこもっていて、素敵なんですけどね。
2007年04月23日
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しかし、伊勢物語ってエロいですよね。(すみません)
私の大好きな漫画『ドラゴン桜』の中で、桜木先生が、
「いいか、昔のやつらなんてな、娯楽が少ないもんだから、スケベなことばっかり考えてたんだ。男女の話ばかりで、どうだ、親しみが湧いてこないか?」なんて言ってましたけど、その通りですか?
コメントありがとうございます。なるほど。さすが『ドラゴン桜』桜木先生。(実は漫画もドラマも、見たことないんです・・興味はあるんですけど)
確かに古文って、エロい話、もとい、艶っぽい話が多いですよね。いや、私もそんなに古文作品読んでないのですけど。昔は娯楽が少なくて話がそっちに流れがちだったというのは想像つきますよね。古今東西、廃れないネタですしね。結構しょーもない話なんだ、ということを知っておくと、勉強するのにも抵抗が薄れますよね。
たどり着いてくださってありがとうございます!
なかなか更新しないブログですが、皆さまの温かい眼差しを感じつつ、これからも頑張りますのでよろしくお願いしますね。
学校の期末テストで出るので助かりました!
友達にも教えてあげたいので、Twitterで画像とURL付きでアップしたいんですけどいいですか?
コメントありがとうございます!
はい、是非お友達にもご紹介ください。Twitterに画像upもOKです(^.^)
期末テスト頑張ってくださいね〜。