〈本文〉
みないと恥づかしき中に、宰相の御いらへをいかでかことなしびに言ひいでむと、心ひとつに苦しきを、御前(おまえ)に御覧ぜさせむとすれど、うへのおはしまして、大(おお)とのごもりたり。主殿司は、「とくとく。」と言ふ。げにおそうさへあらむは、いととりどころなければ、さはれとて、
空寒み花にまがへて散る雪に
と、わななくわななく書きて取らせて、いかに思ふらむと、わびし。これがことを聞かばやと思ふに、そしられたらば聞かじとおぼゆるを、「俊賢(としかた)の宰相など、『なほ、内侍(ないし)に奏してなさむ。』となむさだめたまひし。」とばかりぞ、左兵衛(さひょうえ)の督(かみ)の、中将におはせし、語りたまひし。

〈juppo〉 「内侍」はやはり役職名で、天皇のおそばに仕えて文書などを受け持つ係のこと。女官たちの憧れの職業だったそうです。送られた下の句に、とっさにつけた上の句がよく出来ていたので、「これだけの才能ならば昇進させてあげたいくらいだね。」という良い評判を得た、という話です。
最後まで読んで、「結局自慢話かよ!」と思われた方、そうなんですよ。清少納言という人は才能溢れる人だったようで、「枕草子」にはこうした「ほめられちゃった��」系の話が結構登場します。でも、ただ得意げになっているのではなく、「私のことをみんな凄いとか流石とか言うけど、実はこんなに苦労してるんだからね!」という打ち明け話でもありますよね。この章は。なんだか、今この瞬間にも、誰かがどこかでブログに書いている日記みたいではないですか?実際、日記なんですけど。
ところで、「風邪がひどくて後編を更新出来ないのでは?」と万が一思われた方がいらしたら、ご心配をおかけしました。風邪はまだ治ってないんですけど、滅法フツーに生活しています。皆さんも季節外れの風邪にお気をつけ下さい。
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もっと早く見つけていたかったですー(泣)
もしよろしければ蜻蛉日記や更級日記をお願いしたいです(^-^;
遅くまでテスト勉強お疲れ様です!
蜻蛉日記、更級日記ともちょこっと描いた様な気がします。自分のブログのカテゴリがもうどうなっているのか、かなり混乱しています(^^;
特にお読みになりたい章があれば、リクエストもお寄せください。必ずしもご期待に沿えるかどうか、わかりませんが。
もしお書きになっていたらすみません(汗)
早速リクエストありがとうございます!
更級日記の『あこがれ』は『あづま路の奥』『源氏の五十余巻』というタイトルで描いたのがそれだと思います。
蜻蛉日記の『鷹』はまだ描いていません。
いずれ作品化出来たら、と思います。
なるべく早くお見せできたら良いんですけど!