Yちゃんの学校では英語の教科書に『COLUMBUS 21』を使っている。その日私たちはUNIT 2を読んでいた。主人公ヒロの妹サナエがサッカーの試合で大活躍したことを、母親に伝えるというシーンだった。2ページ目に、こんな会話が出てきた。
Mother:Why don't you tell Dad about today's game?
(母:今日の試合のことを、パパにも知らせてあげたらどうかしら?)
Sanae:Sure.I'll e-mail him with a couple of pictures.
(サナエ:だよね。写真つけてメールしてみる。)
註:訳は私がつけました。
ここで、ふとある疑問が。
私「えっ、お父さん一緒に住んでないの?べ、別居中?」
Yちゃん「そういえばこの教科書でお父さんて見たことない。」
私「どうしよう。『パパにも知らせてあげたらどう?新しい奥さんの家にいるから』なんて展開だったら。」(どうしようってこともないけど。)
私たちはこの問題を捨ておけず、教科書の他のページを探した。去年使っていた1年生の教科書も引っぱりだしてきた。
教科書の登場人物が定まっている場合、本の最初の方に登場人物紹介のページがある。COLUMBUS 21の場合はヒロのモノローグの形で、あらすじも書いてあった。
はたして、ヒロとサナエのお父さんことMr.山田は、「仕事でアメリカにいる」ということが分かったのである。
「なんだ〜。そうだったのか〜。」ふたりとも胸をなでおろした。続くUNIT 3ではアメリカにいるお父さんを訪ねていくことも分かった。結局お父さんはそこにしか登場しないのだが(3年間で)。
COLUMBUS 21は光村図書出版が発行している教科書である。光村図書といえば、国語の教科書を発行する会社として認識度が高いのではないかと思う。私も小学校や中学校で光村の国語教科書を読んでいた。
その光村図書出版が新たに英語の教科書を作るぞ、という話は前々から聞いていた。重松清氏がストーリーの原案を作った、という話も私は知っていた。そんなことは知っているだけでは何の役にも立たないのだが、こうして実際教科書を手にし(ちなみに私は地元の本屋さんで、学校で使われている教科書を購入する。必要に応じて。)、それを使っている現役中学生の声を聞いて、この教科書の新しさがよくよく分かって来たのである。
教科書に決まった登場人物がいるのは特に珍しいことではない。今の英語教科書は会話文中心なので、彼らにその会話をさせるのだ。
そこに加えてCOLUMBUS 21では、登場人物が3年間を通して一つのドラマを演じているのである。
主人公ヒロは中学生の男の子で、彼の家に、お父さんがアメリカでお世話になっている人の孫、Jenniferがホームステイしに来る。ヒロはサッカーが好きだけどなかなかレギュラーになれずに悩んでいるのだが(妹の方がサッカーはうまいらしい)、雪合戦でいじめられていたJenniferをかばってあげるという男らしさを突然発揮したりする。
Yちゃん始め、現役中学生たちの興味の対象は「ヒロとJenniferは最後どうなっちゃうの?」ということのようだ。
その後、好奇心に捕われた私が3年生の教科書を買ってきて見せてあげたので、Yちゃんだけは一足先に充実した読後感を味わっている。
一方私は、2年の最後のUNIT 9のタイトルが『Goodbye, Leo!
』(Leoはヒロが飼っている犬)だったので、「えーっ、Leoはどうなっちゃうのよぅ?」ということが一番気になっていたのだが、こちらは寂しい結果となってしまった。
3年間通してこの教科書を読める子が羨ましいな、と思う。中には3冊全部は読まないで中学を終えてしまう子もいると思うが、たまたまそうなっただけにしては、もったいなさすぎる。
英語を勉強しながら、本や映画のようなストーリーにも触れられる。カラフルだし最新の国際情勢も紹介している。会話が多いことも私の時代から見るととても親しみやすい。私が中学生の時にこの教科書で勉強していたら、もう少し英語好きな中学生だったことだろうか?
COLUMBUS 21:http://www.mitsumura-tosho.co.jp/kyoka/eigo/eigo%5Fc/
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昔はそんなおもしろいストーリーじゃなかったもの。
でも、状況がアメリカでとなれば、父は新しい奥さまと子供がいてという展開もありそうだよね。
教科書、進化してますよ〜。会話中心だけど、読み物もあればマライア・キャリーの歌もあり…。読んでいて楽しいです。
確かに、アメリカの婚姻事情でなら離婚も再婚もありありでしょうねー。日本の教科書でも将来は国際結婚とか、いろいろな家族が登場するかもしれません(^.^)ね。