2008年01月11日

旅立ちA

お待たせしました。続きです。
〈本文〉
道祖神(だうそじん)の招きにあひて、取るもの手につかず、ももひきの破れをつづり、笠の緒(を)つけ替へて、三里に灸(きゅう)すうるより、松島の月まづ心にかかりて、住める方は人に譲り、杉風(さんぷう)が別墅(べっしょ)に移るに、

 草の戸も住み替はる代(よ)ぞ雛(ひな)の家

表(おもて)八句を庵(いほり)の柱に掛け置く。

tabidachi2.jpg
〈juppo〉たったの4コマをもったいつけてお待たせしてすみません。旅支度をととのえ、住んでいた家を人に譲っていよいよ旅立つ芭蕉さんです。
 
 三里のツボはひざ下の、外側のくぼみ辺りだそうです。ここにお灸をすえると足が丈夫になるんですって。
 
 松島は仙台のちょっと先ですね。引き続き思いばかりがかなり遠くへ先走っていますが、実は、白河の関も松島も、和歌に詠まれた有名な土地(これを、歌枕といいます)で、芭蕉は文学的観点から彼の地を思い描いているようです。

 杉風は芭蕉の弟子のひとりで、スポンサーでもあった人だそうです。この人の別宅に移ってから出発する訳ですが、別宅は深川だそうなので、旅はまだまだこれからです。その別宅の呼び名が「採茶庵(さいとあん)」だったらしいです。
 
 表八句というのは、紙を2枚重ねて二つ折りにすると8ページの冊子になりますが、その表紙部分(印刷用語でいうところの表1ですね)に書いた8句のことです。裏表紙(表4)にも8句、中の6ページに14句ずつ書いて、全部で百句を一冊に書く、なんてーことをしていたようです。


 ここで、超基本的なことですが、俳句と短歌の違いについて。

 五・七・五の十七文字で出来ているのが俳句。五・七・五・七・七の三十一文字で詠んだのが短歌(または和歌)です。
 俳句は一句、ニ句と数えますが、短歌は一首、二首と数えます。そうです。百人一首になっているのが短歌です。
 また、俳句は季語と呼ばれる、季節を表す言葉を必ず読み込むのがルールで、季語が入っていないモノは「川柳」といいます。お茶の缶なんかに書いてあるのがそれです。

 今回の、「草の戸も・・」の句では「雛」が春の季語です。
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posted by juppo at 23:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 奥の細道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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