2008年05月05日

公世(きんよ)のニ位のせうとに

徒然草、第四十五段です。
〈本文〉
公世の二位のせうとに、良覚僧正(りゃうがくそうじゃう)と聞こえしは、きはめて腹あしき人なりけり。坊の傍らに、大きなる榎(え)の木ありければ、人、「榎の木の僧正」とぞ言ひける。この名、しかるべからずとて、かの木を切られにけり。その根のありければ、「きりくひの僧正」と言ひけり。いよいよ腹立ちて、きりくひを掘り捨てたりければ、その跡、大きなる堀にてありければ、「堀池(ほりけ)の僧正」とぞ言ひける。

kinyo.jpg
〈juppo〉今回のお話を読んで、こんな話が昔話にあったな、と思われた方もいらっしゃるかと思います。

 昔話に『頭に柿の木』という話があります。酔っぱらった男の頭に、いたずらな子どもが柿の種を飛ばしたところ、男の頭から柿の木が生えて来て、男は頭になった柿を売って酒を飲む。子どもが木を切ってしまうと、今度は切り株に出来たきのこを売って酒を飲む。切り株を掘ってしまうと、穴にたまった水にウナギが住んでそれを売って酒を飲む、という話です。

 落語にも『あたま山』というネタがあります。これは男の頭に桜の木が生える話で、抜いた穴に水がたまるのは同じです。

 これらの話に関連があるのかどうか分かりませんが、木を切れば切り株が出来、切り株を掘れば穴が出来るというのは自然な流れなので、物語にしやすい展開なのだということなのかも知れません。
 
 
 頭に木がどうやって根を張っているのかとか、穴があいているところを想像すると、ややホラーです。

 あだ名を付けられるくらいは、まだ罪がないといえましょう。
posted by juppo at 23:31| Comment(4) | TrackBack(0) | 徒然草 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
このお話、学校で勉強しました!!

楽しい話ですよね♪

桜の木の話も知ってました☆

ホラーっぽいところもまた楽しいですよね★
Posted by ぴか at 2008年05月06日 18:10
ぴか様
やりましたか!
良覚僧正の話は、ただ怒りっぽいというだけで他愛のない話ですけど、昔話や落語って荒唐無稽な分、深読みするとホラーとしか思えないところがありますよねー。そういう話の方が、やっぱりインパクトがあって受ける、ってことでしょうね。
Posted by 柴田 at 2008年05月06日 23:38
いつもこのサイト利用させていただいてます。
確か最初にこのサイトを利用し始めたのは「ちごのそらね」の頃だったと思います。古典の副教材レベルで、このサイトを利用させていただいてます。
もし、お忙しくなければ急ぎませんので、平家物語(限定すると、木曽の最後)や徒然草の「神無月の頃」も詳しく解説していただくとうれしいです。忙しいと思いますので、もし無理でしたら大丈夫です。

更新を楽しみにしています。
Posted by スターゲイト at 2008年12月20日 19:19
スターゲイト様

コメントありがとうございます!
リクエストもありがとうございます(^-^)
スグに描けるとは限りませんが、いただいたリクエストには出来るだけお応えしていこうと思っています。これからも長い目でお付き合いください!
Posted by 柴田 at 2008年12月20日 23:01
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