〈本文〉
成方といふ笛吹きありけり。御堂入道殿(みだうのにふだうどの)より、大丸といふ笛を賜(たま)はりて、吹きけり。めでたき物なれば、伏見修理大夫(ふしみのしゅりのだいぶ)俊綱朝臣(としつなのあそん)ほしがりて、「千石(せんごく)に買はん」とありけるに、売らざりければ、たばかりて使ひをやりて、「売るべき由(よし)言ひけり」とそらごとを言ひつけて、成方を召して、「笛得させんと言ひける、本意(ほい)なり」と喜びて、「価は請ふによるべし」とて、「ひらに買はん」と言ひければ、成方色を失ひて、「さること申さず」と言ふ。この使ひを召し迎へて、尋(たづ)ねらるるに、「まさしく申し候(さぶら)ふ」と言ふほふどに俊綱大いに怒りて、「人を欺きすかすは、そのとが軽からぬことなり」とて、雑色所(ざふしきどころ)へ下して、木馬に乗せんとする

〈juppo〉ご無沙汰しました。
今回ご紹介するのは、『十訓抄』です。「じっきんしょう」と読んでください。『十訓抄』は鎌倉時代に、青少年の道徳教育を目的にまとめられた説話集です。十編から成っているらしいので、それで『十訓抄』なのでしょうが、十話しかないということではありません。
橘俊綱は藤原道長の孫に当たる人ですが、橘家の養子になったのでこういう名前です。
伏見修理大夫とは、内裏の修繕とか修理を行う部署の長官とかいう役職名です。要するに偉い人です。
そういう偉い人が、どうしても欲しいものを手に入れようと、策を講じて弱者をおとしめようとする話です。水戸黄門の1エピソードにありそうです。
手下の使いにウソの証言をさせるというのは、杜撰な策ですよね〜。
幼稚な手ではありますが、何しろ偉い人ですから、まんまと成方を窮地に追い込み、拷問にかけようという場面です。
木馬はもちろん、おもちゃの木馬なんかではなく、座る所が尖っている拷問道具なんです。こんな時代からこんな道具があったんですね。人の残酷さにおけるクリエイティブは、どんな分野にも先んじているのですね。
あわれ木馬に乗せられようとする成方の運命やいかに
続きます。



可哀想過ぎます(/_;)
早く続き書いてくださーい_(++)/
お待たせいたしました。後編UPしてます。ほっとしていただけると思います。期末テスト、お疲れ様でした!