伊勢物語、第十二段です。
〈本文〉
昔、男ありけり。人のむすめを盗みて、武蔵野へいて行くほどに、盗人(ぬすびと)なりければ、国の守(かみ)にからめられにけり。女をば草むらの中に置きて逃げにけり。道来る人、「この野は盗人あなり。」とて、火つけむとす。女わびて、
武蔵野は今日はな焼きそ若草のつまもこもれりわれもこもれり
とよみけるを聞きて、女をばとりて、ともにいて往にけり。
〈juppo〉『上にさぶらふ御猫は』を描く前に、他の作品を描こうとしていた、その作品がこれです。
久しぶりの『伊勢物語』ですが、いつ読んでも『伊勢物語』は男ありけり、いつ読んでも人の娘を盗んでいるな、という感じがしますね。
火をつけられたらどうしよう、とパニくったあまり思わず詠んだ歌を結局聞きつけられて捕まってしまったというのは「やっちまったなぁ〜!」としか言い様がありませんが、焼き殺されるよりはかなりマシな結末と言えるでしょう。
その歌で、「若草の」は「つま」にかかる枕詞です。
「つま」は「愛する人」と言うほどの意味で、ここでは「夫」を指しています。
数日ヒマな日を過ごして、編み物なんか始めていました。冬になると思い出す編み物。
おかげさまで、ブログも順調にいつになく更新し続けることが出来ましたが、明日からまた忙しくなりそうなので、またいつものように「たまに更新」なブログに戻ります。
皆さん、たまに覗いてください。
2008年12月14日
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