2009年10月17日

竹取物語H

続きです。
〈本文〉
この人々の年月をへて、かうのみいましつつのたまふことを、思ひ定めて、一人一人にあひたてまつり給ひね」と言へば、かぐや姫のいはく、「よくもあらぬかたちを、深き心も知らで、あだ心つきなば、後くやしき事もあるべきを、と思ふばかりなり。世のかしこき人なりとも、深き心ざしを知らでは、あひがたしと思ふ」と言ふ。翁いはく、「思ひのごとくも、のたまふものかな。そもそもいかやうなる心ざしあらん人にか、あはむと思(おぼ)す。かばかり心ざしおろかならぬ人々にこそあめれ。」かぐや姫のいはく、「なにばかりの深きをか見んと言はむ。いささかの事なり。人の心ざし等しかんなり。いかでか、中に劣り勝りは知らむ。五人の中に、ゆかしき物を見せ給へらんに、御心ざしまさりたりとて、仕うまつらんと、そのおはすらん人々に申し給へ」と言ふ。
「よき事なり」と承(う)けつ。
taketori9.1.jpeg
〈juppo〉近日中に、と言っておきながら随分お待たせしてしまいました。ブラジャーのワイヤーが右手親指の爪の間に突き刺さる、という説明しずらいアクシデントに見舞われ、まともにペンが持てなくなっていました。
 そうこうしているうちに中間テストも始まりましたね。連日テスト勉強に付き合いながら、やっと痛みの取れた右手で描きました。


 翁の説得は続きます。「一人一人にあひたてまつり」とありますが、ここでの「一人一人」とは、各候補者に、という意味ではなく、「誰かひとり」という意味だそうです。「一人一人」がお祈りしている顔文字にしか見えませんが、そういう意味でもありません。ナムナム。

 すったもんだの末、かぐや姫はついに求婚者たちに会う決心をしました。何もったいつけてんだ、とも思えますが。「よくもあらぬかたちを」なんて自分の容姿を悲観しているのも、「またまたー」と、言えない事もないですよね。


 ところで、こうして見ると翁は説得のプロですね。
 自分の考えを押し付けるのではなく、時には相手の言い分に同意し、どうしたいか希望を述べさせた上で実行に移すところまで促す・・・。見事です。完璧なコンサルティングです。


 日常会話で、「そうそうそう」とか「そうだよねー」なんて言うのは、時に全く心の籠ってないただの相槌だったりしますが、 そういう言葉も、会話を円滑に運ぶためには必要な潤滑油になっているのだと思います。

 時々、そういう相槌を全く打たず「でもさ」「ていうかさ」などとしか返さない人がいますが、個人的にそういう人と会話するのはあまり楽しいと思えない私です。
posted by juppo at 22:04| Comment(3) | TrackBack(0) | 竹取物語 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「よき事なり」使ってみようかしら、先日も月を見て文語をいってみたりと、古典に対する興味の増す日々です.
Posted by さくさく at 2011年01月23日 11:34
さくさく様

立て続けにコメントをありがとうございます!
お勉強中に、大丈夫ですか!?
勉強も大変だと思いますが、恋愛を成就させるために人の娘を盗んだり、鬼に食べられたりしなくなっただけでも、良い時代になったものですよね。

もちろん当時には当時の良さもある訳で。
文語の響きにもそれは残ってるのかも知れません。
「よき事なり」、簡潔で雰囲気があって使いたくなりますね!
Posted by 柴田 at 2011年01月23日 12:36
至急、かぐや姫の昇天(立てる人どもは〜具して、昇りぬ)をお願いします!!24日からテストなので…。急ですいません。
Posted by みほ at 2011年10月18日 20:42
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