2010年02月15日

いづれの御時にか�

前回、最終回としましたが、リクエストがありましたので続きを描きます。
〈本文〉
 母君ははじめよりおしなべての上宮仕(うえみやづか)へしたまふべききはにはあらざりき。おぼえいとやむごとなく、上衆(じょうず)めかしけれど、わりなくまつはさせたまふあまりに、さるべき御遊びのをりをり、何事にもゆえある事のふしぶしには、まづまう上(のぼ)らせたまふ。ある時には、大殿(おおとの)ごもり過ぐして、やがてさぶらはせたまひなど、あながちに御前(おまえ)去らずもてなさせたまひしほどに、おのづから軽(かろ)きかたにも見えしを、この御子(みこ)生まれたまひて後は、いと心ことに思ほしおきてたれば、坊にも、ようせずば、この御子のいたまふべきなめりと、一の御子の女御はおぼし疑へり。人より先に参りたまひて、やむごとなき御思ひなべてならず、御子たちなどもおはしませば、この御方(おんかた)の御いさめをのみぞ、なほ煩(わずら)はしう、心苦しう思ひ聞こえさせたまひける。

idureno4.jpg
〈juppo〉前回の分を描き終わって少し気になっていた通り、もう少し先まで教科書に載っているとの情報をお寄せいただいたので、もう少し先まで、どろどろした場面ですけど続けて描きます。

 
 桐壺の更衣・・・ってまだ名前は出てないんですけどこの更衣は、最初にそれほど高い身分ではないとされていましたが、今回はそもそもそれほど低い身分じゃない、ってどういうこと?と思いますよね。

 後見人もいないし、まっ先にお妃になるほど際立って高い身分じゃ−ないんだけど、それほど低くもない、ということなんでしょうが、ここでは要するに、帝とべったりな関係だけど、もともと気品のある人でそんな尻軽な女じゃーないんですよ、ということを言いたいのだと思います。

 帝の寵愛のあまり始終一緒にいることになって、第一皇子の母からも相当恨まれているようですが、それは彼女のせいじゃないんです!帝の愛の深さゆえなんです!・・ってことでしょうね。


 その第一皇子の母は、「弘徽殿(こきでん)の女御」と呼ばれる人ですが、皇子の他に、女の子も産んでいるようです。それだけの実績があるのだから、言いたいことは言わせてもらうわよ!と思っていても無理はありません。

 ファーストレディーからのクレームを煩わしいと思いながらも、立場を考えれば同情を寄せざるを得ない帝も、なかなか大変ですね。



 この部分の訳を探していたら『源氏物語』の文法解説書(訳本)が出て来ました。持ってたんです。これでだいたいのリクエストにはお応えできると思います。


 とりあえず、この続きがもう少しあります。

posted by juppo at 22:06| Comment(2) | TrackBack(0) | 源氏物語 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いつも、ありがとうございます。

御前(おまえ)
御子(みこ)
御方(おんかた)
女御(にょうご)

と、「御(おん)」のオンパレードですね(^^;)

高校生諸君、「御(ご)」苦労様!
Posted by kamada at 2010年02月18日 11:19
kamada先生、

本当ですねぇ〜。「おん」だけでも「御遊び」「御前」「御方」「御いさめ」・・・って、ずらずら出て来ますからね〜。そこに他の読み方まで混ざってくるとなると、「いい加減にしてぇえ」と思っちゃいますね(><)
Posted by 柴田 at 2010年02月18日 20:05
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック