2010年06月20日

能をつかんとする人

もうひとつリクエストから。『徒然草』第百五十段です。
〈本文〉
 能(のう)をつかんとする人、「よくせざらんほどは、なまじひ人に知られじ。うちうちよく習ひ得てさしいでたらんこそ、いと心にくからめ。」と常に言ふめれど、かく言ふ人、一芸も習ひ得(う)ることなし。いまだ堅固(けんご)かたほなるより、上手(じやうず)の中に交じりて、そしり笑はるるにも恥ぢず、つれなく過ぎてたしなむ人、天性(てんせい)その骨(こつ)なけれども、道になづまず、みだりにせずして年を送れば、堪能(かんのう)のたしなまざるよりは、つひに上手の位(くらい)に至り、徳たけ、人に許されて、並びなき名を得ることなり。
 天下のものの上手といへども、初めは不堪(ふかん)の聞こえもあり、むげの瑕瑾(かきん)もありき。されども、その人、道の掟(おきて)正しく、これを重くして放埒(はうらつ)せざれば、世の博士(はかせ)にて、万人(ばんにん)の師となること、諸道変はるべからず。

nouotsukan.jpg
〈juppo〉「能をつかん」の能とは、才能ではなく芸のことだったんですね。

 「上手くなってから人前でやろう」と言っている人は結局芸を身につけられないというのは、今密かに何かの練習をしている人にとっては衝撃のアドバイスですね。

 私は結構言いたがりなので、「最近○○始めました」とか「○○にハマっています」なんてすぐ人に言ってしまうんですけど、それで身を立てようと思うほどのことじゃないから簡単に言えるのかも知れません。



 そういえばテスト前に「全然勉強してない〜」と言う人の方が良い点を取る、というのは大昔からあるテスト勉強の定義みたいなものだと思いますが、今でもそうですか?
posted by juppo at 21:57| Comment(4) | TrackBack(0) | 徒然草 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
笑われたりけなされたりしながら芸を磨くって
そう簡単に出来ることでもないですょね(・・;)
私は難しいターンをする時に笑ってしまうくせがあったんですけど
先生ゃ皆に笑われたので 今頑張ってなおしています←笑

はぃ。ずばりそうですね。
そして「ゃばぃ〜…こんな点数とったら親に叱られる〜…」というから見たら私より点数高いんですょ…
しかもそれ 私の点数見たあとに言うんですょ…
うゎゎゎゎゎゎーん..・ヾ(。><)シ
Posted by ぴか at 2010年06月21日 22:05
ぴか様

テストお疲れさまでした!
ターンの練習に自ら改善点を見つけて努力しているとは…(◎-◎;)素晴らしいです!私はバレエのレッスンで、時々「あー、これは私には出来ない。」と、やる前から諦めてしまうことがありますが、もっと前向きに挑む様にします!


ほほぅ!やっぱり今でもそういう会話が交わされてるんですねテスト前後!
そういう「友人」も絶滅してないってのが、何かちょっと嬉しいです!!
Posted by 柴田 at 2010年06月21日 22:59
いつもテスト勉強に使わせてもらっています!!

リクエストお願いします。
「木曾の最後」をお願いします。
Posted by rika at 2010年06月24日 22:20
rika様

毎度ご利用ありがとうございます!

リクエストもありがとうございましたm(__)m
『木曾の最期』はなんと、もうありますよー!
カテゴリ『平家物語』をぽちっ、としてみてください!→
Posted by 柴田 at 2010年06月24日 22:32
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