もうすぐクリスマスです。今年もクリスマスには皆さんの家にサンタさんは来ますか?
「来る。」または「多分来る。」と答えた人は、この後のお話を読まないでください。とてもつまらないことが書いてあります。
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さて、私は長年塾の先生をやっている訳だが、クリスマスの時期になると小・中・高校生に必ず次の質問をしてきた。
「いつまでサンタクロースを信じていましたか?」
万が一の事を考えて、小学生にはまず「サンタさんは来る?」と探りを入れる質問をし、「サンタなんていないし。」など極めて現実的な返答を得てから、聞くことにしていた。
サンタクロースを信じたことがない私にとって、小学校高学年くらいの年齢まで信じていたと答える生徒が結構多いことは新鮮な驚きだった。
最高記録は中2まで信じていたという男子で、学校の先生が英語の授業中に「もちろん皆もう信じてないと思うけどさー、」と軽く言ったのに対して一人ひそかに衝撃を受けた経験を語ってくれたものだった。
未だ私の知る限りこの記録は破られていない。
この男子の経験を聞いて私が感心したのはその子の純粋さもさることながら、ご両親のクリスマス演出にかける努力だ。涙ぐましい。
生徒たちの経験をいろいろ聞いてみると、どの家のご両親も毎年クリスマスプレゼントを隠したり、聞かれてもたくみにはぐらかして答えたり、とさまざまにクリスマスを完璧に迎えるべく奮闘しているらしかった。
日本人ってこういう演出が大好きだなー、と思う。自国の伝統行事には年々興味をなくしていくわりに、外国から新しく入ってくる行事でお祭り騒ぎをするのが好き。ハロウィンが終わったとたんに街中クリスマス色。年が明ければバレンタイン。伝統じゃなくてもいい。正しい行事のあり方でなくてもいい。
バレンタインデーに女性が男性にチョコレートを贈る習慣(及びホワイトデーの習慣)は日本だけのものだということには、皆さん薄々気づいてきていると思う。
同様に、クリスマスにチキンとケーキを必ず食べるのは日本くらいのものだ、ということをご存知ですか。
アメリカやヨーロッパの人に、日本ではクリスマスにはケンタッキーフライドチキンが大繁盛する、という話をすると非常に面白がられる。欧米では別にクリスマスだからといって特別にチキンを食べたりしないそうだ。
では何を食べているのか。日本語教師をやるようになって私は必ず外国人の生徒さんに次の質問をするようになった。
「クリスマスに必ず食べるものは何ですか?」
答えは様々なのだ。あるアメリカ人は「クッキーとハム。」と答えた。
「ハムぅ?」と、私は多少拍子抜けした感想を抱いた。声には出さなかったけど。
ドイツ人は「ポテトサラダ」と言うし、スペイン人は「魚料理」と答えた。
要するに、何でもいいらしい。クリスマスだからと決まったメニューがある訳ではなく、各家庭で、伝統的に聖なる夜に食べてきた料理を食べるらしい。 ドイツ人の若い夫婦は、ポテトサラダのご主人と奥さんそれぞれの家庭の味が違うので、毎年どちらの味で調理するか揉めると言っていた。お雑煮の味の地域差みたいなものかな。
日本でクリスマスに必ずチキンとケーキを食べるのはK○Cと不○家の戦略によるものなのか。
クリスマスにチキンを買いそびれた、ケーキの予約をしそびれた、と言って家族から極悪人のように扱われてしまうお父さんたち、これからは安心して正しいクリスマスのあり方で、ご家庭の伝統料理を召し上がってください。
ところで日本の子供たちが根強く信じているサンタクロースも、欧米の子供たちは意外に就学年齢に達するころには信じなくなるという。個人差はあるだろうけど。
さらに今年、私はサンタクロースに関する衝撃的な話を聞いた。以下、ハンガリー人から聞いたサンタクロースの話のまとめ。
● ハンガリーではサンタクロースはクリスマスではなく、聖ニ
コラウスデー(12月6日)の前の晩に来る。
● (ここが重要→)ハンガリーのサンタクロースはゴブリンを連
れて来る。ゴブリンは日本の鬼みたいなもの。
●ハンガリーの子供たちは自分の靴を磨いて窓辺に置き、サンタ
を待ち受ける。
●良い子にはサンタがお菓子をくれる。靴の中に。
● 悪い子にはゴブリンが木の枝(!)をくれる。靴に挿してい
く。
サンタクロースを信じる幼い子供たちは、12月6日の朝、自分の靴の中にお菓子が入っているか、枝が挿してあるか発見して一喜一憂するらしい。
ハンガリーの両親たちは、教育的配慮から大抵お菓子と枝の両方を用意し、「あなたはいい子だったけど反省すべき点もある」からそれをもらったのだと、子供たちを諭すのだという。
お菓子はプレゼントとしてはちょっとしょぼいな、と思うところだが、クリスマスにも子供たちはもっといいものをもらうそうなのでご安心を。
そのゴブリンのキャラクターが想像するだけでとても面白かったので、私は「ゴブリンはサンタの弟子なのか?」「ゴブリンはサンタになる修行をしているのか?」と重ねて質問した。そういう訳ではないらしい。ゴブリンはサンタの監督下にあるが、単に常に、コンビで活動しているのだとか。想像を絶するでしょ。
この設定は何もハンガリー独自のものではないようだ。ご存知の通り聖ニコラウスというのはサンタクロースのモデルになった人で、一方クリスマスはキリスト生誕のお祝いな訳で、最初からセットになっていたわけではない。クリスマスにサンタが来るのはハンガリー人曰く「アングロサクソンの文化」なのだそうだ。
サンタが赤いコスチュームなのはコ○・コーラの戦略だという話もあるし、調べてみると毎度おなじみの行事にもいろいろトリビアがあってもっと面白くなるかも知れませんよ。
何はともあれ、皆さん楽しいクリスマスをお過ごしください。
メリー・クリスマス!
2010年12月22日
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Tracked: 2011-06-01 14:20
>コンビで活動している
お笑いっぽい。サンタが脚本書いてて、ゴブリンはそれに従ってツッコミ入れるの(笑)……という図を想像しました。
各国で、いろいろな文化があっておもしろいですね。日本の赤いサンタとチキンとケーキは、商業的に始まったのかもしれませんが、それで楽しめるなら、それでもいいのかなと思っています。でも、私自身は演出を全くしない親に育てられたためか、今となっては、この行事にそんなに思い入れはありません。ケーキは食べますけど(^^;)、彼岸のおはぎと位置づけは一緒かな〜。
そして、釈迦の誕生日の花祭りがあまりポピュラーにならないのは、甘茶がいけないのだろうか……などと考えたりしています。(^^)
私も、宗教が違うからといがみ合うよりは、こういう日本人の、イイとこ取りみたいなこだわらない伝統の取り扱い方は結構好きです(^-^)
やっぱりクリスマスにはケーキとチキンがないと淋しかったりします。マストではないけど。
花祭りに甘茶は浸透してないですね(・・;)
余談ですが「寒中水泳など冬のイベントの際、配られる食べ物は何ですか」という質問も外国人によくします。日本では豚汁か甘酒ですけど、欧米ではホットチョコレートという回答が多いですね。
サンタ信じる派なので全部は読みませんでしたがびっくりです。
ハンガリーでは20日ちかく早いなんて!
昔は サンタクロースは 悪い子を誘拐してしまう! といわれていたそうです。怖いですね
サンタクロースに関する新情報をありがとうございます!
サンタは時々、怖いキャラになってるようですね。
世界中でいろんな仕事をするのですからサンタも大変です。ゴブリンの手も借りたい、な訳ですね。