2011年02月12日

悲田院の堯蓮上人は

リクエストをいただいたものです。『徒然草』です。
〈本文〉
 悲田院(ひでんいん)の堯蓮上人(げうれんしゃうにん)は、俗姓(ぞくしゃう)は三浦のなにがしとかや、さうなき武者なり。故郷(ふるさと)の人の来たりて物語すとて、「吾妻人(あづまうど)こそ、言ひつることは頼まるれ。都の人は、ことうけのみよくて、まことなし。」と言ひしを、聖(ひじり)、「それはさこそおぼすらめども、おのれは都に久しく住みてなれて見はべるに、人の心劣(おと)れりとは思ひはべらず。なべて心やはらかに、情(なさけ)あるゆえに、人の言ふほどのこと、けやけく否(いな)びがたくてよろづえ言ひ放たず、心弱くことうけしつ。いつはりせんとは思はねど、ともしくかなはぬ人のみあれば、おのづから、本意(ほい)通らぬこと多かるべし。吾妻人は、わがかたなれど、げには心の色なく、情おくれ、ひとへにすくよかなるものなれば、始めより否(いな)と言ひてやみぬ。にぎはひ豊かなれば、人には頼まるるぞかし。」とことわられはべりしこそ、この聖、声うちゆがみ、あらあらしくて、聖教(しゃうげう)のこまやかなることわり、いとわきまへずもやと思ひしに、この一言(ひとこと)の後、心にくくなりて、多かる中に寺をも住持せらるるは、かくやはらぎたる所ありて、その益(やく)もあるにこそと覚えはべりし。

hidenin.jpg
〈juppo〉この冬初めてのまとまった雪が降りました。寒いです。
 この作品はなんと去年の夏にリクエストいただいたもので、今まで放置していた罪悪に身も震える思いです。本当に申し訳ありません。


 長い本文を1ページにまとめてしまったのでご覧の通り字だらけですが、要するに、「都会の人は冷たい。田舎の人は親切。」と言った人に、「そんなことはない。」と否定し、その理由を分かりやすく説明してくれた偉いお坊さんの話です。

 田舎の人と都会の人とを比べて、心自体が違うということはない、置かれた状況が違うから付き合い方にも差が出るのだ、という解説はなるほどと思いますよね。


 「東京の人は冷たい」というのも良く聞く話ですけど、東京人のほとんどは、田舎から出て来ている人ですからねー。

 「東京は雪に弱い」とも言いますが、これは本当です。ほんの5��積もっただけで大打撃です。東京の人は雪が降ると必ず滑る靴を日ごろ履いているのだなーと、雪が降ってから学習します。商店街のオシャレなタイルも、積雪時のことなどこれっぽっちも考えずに敷いてあるのです。


 そんな訳で雪景色の連休、皆さんいかがお過ごしですか。寒の戻りで風邪などひかれませんよう、ご自愛ください。
posted by juppo at 15:53| Comment(6) | TrackBack(0) | 徒然草 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちゎ♪
今回のテスト範囲に桐壷の更衣がでます!!
あさきゆみしも読んだし…ここのマンガも読んだし…
頑張ってきます!(`・ω・)ムン←

私が好きなのゎ…
『筑波嶺の 峰より落つる 男女川 恋ぞつもりて 淵となりぬる』
です♪
Posted by ぴか at 2011年02月25日 17:12
ぴかちゃん、お久しぶり〜(´∀`)

学年末テスト、頑張ってくださいねぇ。
『源氏物語』はドラマ性が高い作品なので、ハマるときっと面白いですよねー。
そして恋の歌!恋だけに濃い!ですね!(^-^)
何でも真剣に熱く詠んでいた昔の人の心を、今の私たちも見習わなければいけませんね〜。
Posted by 柴田 at 2011年02月25日 17:28
はじめましてこんばんは

急なお願いで申し訳ないんですが四十一段と九十三段のマンガを作っていただけないでしょうか?
お願いします。
Posted by 佐倉イ at 2012年02月20日 22:31
名無し様 佐倉イ様

申し訳ありませんが、ご要望にはお応え出来ません。
まず、何の四十一段、九十三段なのか分かりません。

そして、仕事として作画を依頼される場合でも夜10時過ぎに「明日まで」なんて急な締め切りを提示されることはあり得ません。

メールを打つようなスピードでは漫画は描けないのです。 ご了承ください。
Posted by 柴田 at 2012年02月20日 22:42
すいませんでした

無理な要望にていちょうにお断りしていただいてもらい




徒然草です
Posted by 佐倉イ at 2012年02月21日 17:51
佐倉イ様

こちらこそ、ご要望にお応え出来ず、失礼しました。
リクエストはいつでも受け付けておりますが、なるべくタイトな期限を設けていただかない方が、ありがたいです。
ユルい期限であっても、必ずしもご期待には添えないこともあります。

徒然草の記事にいただいたコメントだったので、同じ作品の章かなぁ、とは思っていました。
いずれその2つもご紹介出来れば、と思います。
Posted by 柴田 at 2012年02月24日 20:44
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