2011年07月11日

町の小路の女A

お待たせしました。続きです。
〈本文〉
むべなう、十月(かんなづき)つごもりがたに、三夜(みよ)しきりて見えぬ時あり。つれなうで、「しばしこころみるほどに」など、気色(けしき)あり。
 これより、夕さりつかた、「うちのがるまじかりけり」とて出づるに、心得で、人をつけて見すれば、「町の小路(こうぢ)なるそこそこになむ、とまりたまひぬる」とて来たり。さればよと、いみじう心憂(う)しと思へども、いはむやうも知らであるほどに、二三日ばかりありて、あかつきがたに、門(かど)をたたく時あり。さなめりと思ふに、憂くて、開けさせねば、例の家とおぼしきところにものしたり。つとめて,なほもあらじと思ひて、

 嘆きつつひとり寝(ぬ)る夜の明くる間は
  いかに久しきものとかは知る

と、例よりはひきつくろひて書きて、うつろひたる菊にさしたり。
kouji2.jpg
〈juppo〉夫婦生活はますます泥沼化してきていますね。人を使って尾行させたりしています。そしてまんまと他の女の住むらしき家をつきとめちゃったり。町の小路とは、その辺の通りの名前だそうです。
三晩続けて会えないと気が気でないというのは、かなり愛していますね。想いが強すぎておかしくなりそうなほどの愛、ですね。
BGMは小林明子の『恋におちて』をイメージしてお読みください。♪アイムジャストアウーマーン♪んんん〜♪フォーリンラーブ♪

もう少し、続きがあります。Bも描きますのでお待ちください。


さて、母の話です。入院して3週間が経ちました。
その日曜日の夕方、自宅で母は具合が悪くなり、救急車を呼んで脳外科に運ばれました。脳出血でした。救急車を呼んだのは私です。私が一緒にいた時だったので、幸い手術の必要がない程度で済んだのですが、私の心境としては一緒にいたのに何故もっと早く対応できなかったのかと後悔を拭いきれずにもいます。

入院して2週間は一進一退の状態でしたが、先週から大分よくなり、支えられながらも歩いてリハビリ室まで行ったり、自分で食事したり字を書いたり出来るところまで回復しています。

近々リハビリ専門の病院に移って、夏中リハビリに励むことになりそうです。私の夏も、母のリハビリを見守る夏になりそうです。

必要に迫られて家事にいそしむ夏でもあります。庭に水撒きなんかもしなければなりません。水撒き効果は足に大量の虫刺されです。




posted by juppo at 02:58| Comment(2) | TrackBack(0) | 蜻蛉日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんは。続きをありがとうございます。なんだか、こんな女のもとに、夫は戻ってくるのでしょうか。どうも空回りしてそうですよね。

お母様のことでは、大変ですね。おひとりで看病&生活の切り盛りだと、本当に疲れそうです。ウチの親も年老いまして、父は脳梗塞後、デイケアに通っていますけど、面倒を見ている家族の負担はやっぱり大きいです。
すぐ対応できなかったとのことですが、一緒にいるときでよかったと思います。どうか、あまり無理をせず、ダラダラしてもいいやと思うぐらいになさってくださいね。
Posted by sue at 2011年07月18日 23:51
sueさま、コメントありがとうございます。こうしたお便りが、何よりの慰めと励みになります。

どうやらこの夫婦はこのままダラダラやっていくようです。機会があれば、続きも描きたいです。

確かに、あまり根をつめると心身ともに疲れ果ててしまうので、だんだんやり易いように自分でコントロールしていかなければな、と思います。それでも、一年足らずの間に三人から一人暮らしになってしまった自宅にいると気分が落ちることもあるし、嫁いだ姉が週末来てくれるとはいえ同居していたものにしかわからない気持ちというものもあり、気楽にやっていくのはやはりなかなか難しいです。

愚痴になってしまいました。
誰でも、そんな苦労を抱えて生きているものですよね。

お父様も、お大事になさってくださいね。
Posted by 柴田 at 2011年07月19日 02:16
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