2012年02月25日

源氏物語

続けてまいります。今回も『無名草子』から。リクエストにお応えしています。
<本文>
「さても、この『源氏』作り出でたることこそ、思へど思へど、この世ならずめづらかにおぼほゆれ。まことに、仏に申し請ひたりける験(しるし)にやとこそおぼゆれ。それより後の物語は、思へばいとやすかりぬべきものなり。かれを才覚にて作らむに、『源氏』にまさりたらむことを作りだす人もありなむ。わづかに『宇津保』『竹取』『住吉』などばかりを物語とて見けむ心地に、さばかりに作り出でけむ、凡夫のしわざともおぼえぬことなり。」
など言へば、また、ありつる若き声にて、
「いまだ見はべらぬこそ口推しけれ。かれを語らせたまへかし。聞きはべらむ」
と言へば、
「さばかり多かるものを、そらにはいかが語りきこえむ。本を見てこそ言ひ聞かせたてまつらめ」
と言へば、
「ただまづ今宵(こよひ)おほせられよ」
とて、ゆかしげに思ひたれば、
「げに、かやうの宵、つれづれ慰めぬべきわざなり」
など、口々言ひて、
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紫式部は『源氏物語』を書くにあたって、石山寺の観音に祈願したとかいう話があるらしいです。それが「仏に申し請ひ」た霊験があったからこその大作なのだ、という説明になっています。
『源氏』以前・以降の物語を見ても、こんなものをどうやって作り出したのだろうとやたら感心していますが、やっぱり誰が読んでもそう思うほど『源氏物語』って、超・大作ですよね。

途中で突然発言する「若き声」の女性は、この章の前にも登場しているらしいのです。
『無名草子』はこうして女房たちが語り合っている形をとって書かれているので、「この発言は誰?」なのかがよく分からないんですけど、この若い人だけはキャラが立っていますね。
そして次々に有名な人や書物についての話が続くので、「また、人」で始まり「と言へば、」で終わって次の章に行くというふうに進んでいきます。もともとはっきり章で分けていたのではないからなんですが、このように漫画にして1ページずつ区切ることになると、ちょっと中途半端な終わり方になってしまいます。

中途半端ですが、この章は続きません。
3日連続で更新できて自分では大満足ですが、またしばらく明日からはお休みします。

三月になって塾の後片付けも終わったら時間も出来ると思います。そうなったら、今まで頂いたまま放っておいたリクエストに少しずつお応えして行こうと思っています。その前に、確定申告に行ってきます!

posted by juppo at 02:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 無名草子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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