〈本文〉
十四五ばかりの子ども見えて、いと若くきびはなるかぎり十二三ばかり、ありつる童(わらわ)のやうなる子どもなどして、殊に小箱に入れ、物の蓋(ふた)に入れなどして、持ち違(ちが)ひ騷ぐなかに、母屋(もや)の簾(すだれ)に添へたる几帳(きちよう)のつま打ち上げて、さし出でたる人、僅(わづか)に十三ばかりにやと見えて、額髪(ひたいがみ)のかかりたる程より始めて、この世のものとも見えず美しきに、萩重(はぎがさね)の織物(おりもの)の袿(うちき)、紫苑(しおん)色など押し重ねたる、つらつゑをつきて、いと物悲しげなる。「何事ならむ。」と、心苦しく見れば、十ばかりなる男(おのこ)に、朽葉(くちば)の狩衣(かりぎぬ)・二藍(ふたあい)の指貫(さしぬき)、しどけなく著たる、同じやうなる童に、硯(すずり)の箱よりは見劣りなる紫檀(したん)の箱のいとをかしげなるに、えならぬ貝どもを入れて持て寄る。見するままに、
「思ひ寄らぬ隈(くま)なくこそ。承香殿(そきようでん)の御方などに參り聞えさせつれば、『これをぞ求め得て侍りつれ。』と侍従(じじゆう)の君の語り侍りつるは、大輔(たいふ)の君は、藤壺(ふじつぼ)の御方より、いみじく多く賜(たま)はりにけり。

〈juppo〉前回登場した「侍従の君」と「大輔の君」を、男性だと思って描いていたら女性だということが分かりました。急遽、前回の絵も描きなおしました。
この二人は、敵である「あちらの姫君」の侍女のようで、藤壺の御方というのは縁のある方だそうです。
また、承香殿の御方というのは、こちらの姫君の姉君なんだそうです。
まぁだんだんそういう、人間関係の詳しいところも分かってくる訳ですが、分からなくても大体は大丈夫かと。
とりあえず「あちらの姫君」にはサポーターが何人もいるんですが、こちらには前回女の子が説明していたように、弟君しかいないと。その他大勢の小さい子たちもいるみたいですけどね。
今回はその、弟君が登場です。姉ちゃんのために貝を集める健気な弟のようです。
姫君もついに登場しました。姉弟両人の着ているものの説明がまた丁寧にされています。
袿は着物のことで、紫苑色の表着をその上に着ています。朽葉は表が山吹、裏が黄色の色合いのことで、二藍とは藍と紅とで染めた色だそうです。カラーでお見せできないのが、以下略。
色のことも含めて、漫画に描ききれない情報量の多い作品です。興味のある方はもっと詳しく読み込んでいただきたいです。片手落ちですみません。
少将は、遂にお目当ての姫君を見れたんですね。
私にしてみたら随分とリスクの高いですが笑
当時の女性は、ほとんど外に出ずましてや見知らぬ男性と会う機会などほぼなかったようなので、こうでもしないとみれないんでしょうかね・・・
弟君も出てきてますます相手との差が明らかになってきましたね、、、
それにしても、とても色彩豊かなお話なんですね。
説明がとてもわかりやすくて目にみえるようです♪
(なかなか色まで自分で調べるところまでいかないもので、、、汗)
私は日本の伝統色がすきなのでこういうのがわかるとますます
読みやすいです♪
でもやはり本当に無理はなさらないでください。
片手落ちなんてとんでもないです。
暑いので汗お体にお気をつけください。
毎回コメントをありがとうございます。
登場人物が着ているものの説明は、当時の人たち、あるいは和服に詳しい方が読めば、それだけで着ている人の人物像が一層詳しく分かる描写になっているんでしょうね。
色や合わせ方、着方などによって、センスがあるなとか、まだ子供だからな、とか、分かる人には分かるんでしょう。私も「分かる人」だったらよかったのにナーと思います。
時間がかかる割りに、その辺ホントにテキトーに描いちゃってるようで、心配していただくのが申し訳ないくらいです。
確かにここ最近、暑くなってきましたね!
お互いに健康には気をつけましょうね〜。
高校2年のものです。
今回のテストで少々難しいものがありまして・・・
こちらのサイトを見たところ、まだない様なのでコメントしました。
「方丈記」の「養和の飢饉」をお願いできませんでしょうか?
教科書は「教育出版」の「新版古典」です。
文章だけでなく、漫画やイラストを使って勉強すると、
より理解する事が出来て、効率がいいんですよね!
ですので、すごくこのサイトにはお世話になってます。
テストでの高得点はこちらのサイトのおかげも多々あります・・・
ありがたいことです。
これからも応援してます、宜しくお願いします。
テストでの高得点はおそらく、ご自身の実力によるものだと思いますが、ご愛用いただいていることには感謝です。
「方丈記」の作品もご期待に沿えるかどうか分かりませんが、前向きに検討いたします!
テスト勉強、がんばってくださいね〜。