〈本文〉
髪いと美しげにて、たけに少し足らぬなるべし。こよなく後れたりと見ゆ。
「若君の持ておはしつらむは、など見えぬ。『かねて求めなどはすまじ。』と、たゆめたまふにすかされ奉(たてまつ)りて、よろづはつゆこそ求め侍(はんべ)らずなりにけれど、いと悔しく、少しさりぬべからむものは、分け取らせ給へ。」
など言ふさま、いみじうしたり顔なるに、にくくなりて、「いかでこなたを勝たせてしがな。」と、そゞろに思ひなりぬ。
この君、
「ここにもほかまでは求め侍らぬものを。我が君は何をかは。」
といらへて、居(ゐ)たるさま、うつくしう、うち見まはして渡りぬ。このありつるやうなる童(わらわ)、三四人ばかりつれて、
「我が母の常によみたまひし観音経、わが御(お)まへ負けさせ奉り給ふな。」
と、ただこの居(ゐ)たる戸のもとにしも向きて、念じあへる顔をかしけれど、

〈juppo〉ここ数日、尋常ではない暑さにじっと動かないでいるしかなす術もありませんでしたが、やっと今日夕立があってその後は大分涼しくなりました。
熱中症で倒れた方や、一方では豪雨被害で避難を余儀なくされている方がいると思うと、家の中でぐだぐだやっていれば何とかしのげる暑さなど、ものの数ではないと思いますが、それでもいろんなところで運動量が何割か減少します。
皆さんも暑い時は無理せず、うだうだやってください。
さて、私はこの物語を最初に全部読まずに少しずつ作品にしているため、時々うっかりな間違いを犯すことは前にも書きました。今回やっと顔を揃えたこっちとあっちの姫も最初よく分からないで描いていたのが、細部が明らかになるにつれ特徴を少しずつ付け足して描いていたりします。
その上、内容が分かってくるにつれ人物に対する好悪の情も湧いてくるので、「あっちの姫」は明らかに残念なキャラとして描くに至っている訳です。
その判定に多大な影響を与えているのは少将の「つぶやき」ですね。この少将、延々成り行きを見守りつつ、飽きもせず女の子たちを丹念に観察しているのには感心します。
最後のコマは中途半端に終わっているので分かりにくいかもしれませんが、この女の子たちは敢えて少将にお願いしているのではありません。純粋に観音様にお祈りする方向が、たまたま少将のいる方向だったということなんです。
次回以降もお読みいただければその辺少しすっきりしていただけると思います。
なるべく早くすっきりしていただきたいと思っておりますけれども。
あ、ところで、ブログの引越しの件ですが、完全に頓挫しています。新しく開いたexciteのブログも、ややこしくなるといけないので現在非公開にしています。
また何か考え付いたら実行します。
しかし...よく考えたら小学生から中学生くらいの子たちが
こんな攻防をしたのかと、作品とは別のところで考えてしまいましたが、よく考えたら現代にもこんな状況ありますよね(´`;)
そして、ついに少将は姫君を見れたわけですが
調べたら萩重や紫煙色はどちらも紫系統なんですね。
昔は紫は高貴な色だったと聞きますが、この姫君はどれくらいの身分だったのだろうかとか、屋敷は立派だからやはりそれなりに高い身分なのだろうかとか、考えてしまいました笑
それにしても綺麗で秋らしい色使いですよね♪
早く涼しい秋が来てほしいと願うわたしには、夏の暑さを楽しむという風流の欠片すらないようです笑
お体にお気をつけてお過ごしください。
毎回コメントをありがとうございます。
お返事が遅くなって申し訳ありません。
それから、姫の着物の色柄について、調べさせてしまってごめんなさい(>_<)
私が説明を入れなければいけない所でしたね。おかげ様で様子が分かりやすくなりましたよ〜(^o^;)
確かに、この姫たちは身分の高いお嬢様方のようですね。少将が狙いを定めているのも、そのせいかもしれません。
続きをまたまたお待たせしてしまっていますが、なるべく近いうちに…と思っています!
こちらこそ、前回のにコメントができておらずすみません汗
自分でも調べなきゃ怠けてしまいますよ笑
なるほど。
少将もなかなか頭を回しているかもしれないということですね笑
よく考えたら蔵人の少将ですからエリートっちゃエリートだし
頭が切れないと務まらない役職だったようだし・・・
本能と好奇心で行動しながらも、冷静に客観視をすることができる人物でもあるようで・・・と考えをめぐらすのは楽しいです^^
こうやって古文を楽しむというのは、とてもおもしろいものですね♪
本当にこのサイト様のおかげです!!
毎日暑いですし(´`;)本当にゆっくりで構いませんので
お体を優先してください!