2013年07月19日

刎頸之交(ふんけいのまじわり)B

第3回です。今回で終了です!
<本文>
顧念、強秦不敢加兵於趙者、徒以吾両人在也。
今両虎共闘、其勢不倶生。
吾所以為此者、先国家之急、而後私讐也。
頗聞之、肉袒負荊、詣門謝罪、遂為刎頸之交。
<書き下し文>
顧念(おも)ふに、強秦(きょうしん)の敢(あ)へて兵を趙(ちょう)に加へざるは、徒(た)だ吾(わ)が両人の在(あ)るをもってなり。
今両虎(りょうこ)共に闘はば、その勢ひ倶(とも)には生きざらん。
吾(われ)此(こ)れを為す所以(ゆえん)は、国家の急を先にして、私讐(ししゅう)を後にすれば」と。
頗(は)これを聞き、肉袒(にくたん)して荊(けい)を負ひ、門に詣(いた)りて罪を謝(しゃ)し、遂に刎頸(ふんけい)の交はりを為す。
funkei3.jpg
まず、前回の記事について訂正があります!
前回、相如の過去について、「相如は以前、趙の隣国、秦の王に仕えていたことがあったらしいです。」と私は書いたんですけど、違っていました。

 メールで解説してくださった方があり、それによると、相如はこのお話の直前、
『趙王の使いとして「和氏(かし)の璧(へき)」を持って、秦王の元を訪れ、気力と弁舌だけで、無事その璧を奪われることなく持ち帰ったという「完璧」の語源となった人物』
なのだそうです。
 ですから、
『「秦王に仕えていて、王を叱りつけるほどの頑強さを示して、秦で出世した」というよりも、
「趙王の使いで秦王と会見し、宝物を無事趙に持ち帰って、趙で出世した」というのが正解です。』
ということだそうです。(『』の部分はメールからの引用です。)

 なるほどです。その、「完璧」のエピソードもいずれ機会があれば描きたいところですが、本文に関係ないとは言え、前後の関わりももっと勉強するべきですよね〜。そう思っていても、ついつい簡単に記事を作ってしまうこともあり、今後もあれこれミスを犯しそうです。見つけた方は是非、ご指摘くださいね。

 今回メールをくださった方、どうもありがとうございました!


 さて、そんな相如と廉頗のお話はとりあえず今回で終了です。ふたりはライバルだけど、国家のためには敵対しない方がいい、という相如の説ですね。私讐は後回し、ということは個人的な恨みがないことはない、ということですよね。
 それでもその話を聞いた廉頗は感動したらしく、自分の背中にいばらのムチ(!)をあてて相如に謝ったんですね。
 その後はふたりは刎頸の交わりを結んだというオチですから、これきっかけで仲良くなったということなのでしょうね。
 刎頸というのは、互いの首を切られても、という意味だそうです。「刎」は切るとかはねる、「頸」は首という意味です。
 〜〜なほど仲がいいという表現は他にもありそうですが、首をはねられてもへっちゃらなほどの仲のよさ、って何か極端ですよね。「君のためなら死ねる」というほどの意味でしょうね。

 それまでは2匹の虎に例えるくらいですから2人とも血の気が多そうですね。2コマ目の虎の絵、「がるるるるる」の文字は『ちびくろさんぼ』のトラのイメージです。このあと、このトラたちはバターになります。

posted by juppo at 02:59| Comment(4) | TrackBack(0) | 漢文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
藺相如のお話、刎頸の交わりと完璧しか習った覚えがありませんが、漢文の授業の中でも、「相如すごい!」と、好きだった物語です。気が向いたら完璧、もしくは他に何かエピソードがあればそれも、ここで見られたらいいな、と密かに期待しています。
ここでトラバターが出てこようとは。虎がバターになる発想って、いつ聞いてもおもしろくて笑ってしまいます。色しか合ってないけど…とツッコミながら。暑い最中なので、ご自愛くださいね。
Posted by sue at 2013年07月29日 20:29
sueさま

相如は学生時代のヒーローだったのですね(^_^)
『完璧』も是非、ここで紹介出来たらと思います。

ちびくろさんぼっていろいろ物議を醸したりもしましたが、名作ですよね。今思うとトラたちは気の毒でもありますが、美味しいバターになるならありがたいですよね(^_^;)
Posted by 柴田 at 2013年07月30日 13:57
いつも楽しく読ませて頂いています。

今回はリクエストです。

現在「断腸」(世説新語)の授業を行っているのですが、「援(正しくはけものへんのようです)子を得」や「其の母」が「行くこと百余里なるも去らず」で「遂に跳りて船に上り」て死ぬあたりの部分が、説明してもどーも生徒に伝わっている気がしません。

私のイメージでは、子猿は母猿の腹にしがみついていたけれども、険しい三峡の崖か絶壁の途中の木あたりで、母猿の腹から離れてしまって転げ落ちて行って、狭い浅瀬かなんかにいるところを船上の人が見つけて、船を浅瀬に寄せて捕まえてしまって。崖の上か絶壁を跳躍しながらずーっと険しい三峡を追って来て、崖の高さが低くなって来たあたりで、船に飛び乗って(跳び下りて)くる感じ?なのですが、どうも上手く説明できません。

進度の早いクラスではもう終わっていますが、これから入るクラスもありますし、新学習指導要領になって初めての新課程での教科書で、これから数年間は使う予定のものなので、ぜひ今後に向けて、作品化をお願いします!!
Posted by 一 高校教師 at 2013年10月16日 14:30
一 高校教師さま

リクエスト及び詳しいご説明をありがとうございます!
新指導要領ではそんなことになっているのですか〜。

そのお話をまだ知らないので、これから調べます!
なんとかお応え出来ると良いのですが。

しばしお待ちください。
Posted by 柴田 at 2013年10月16日 20:24
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