2013年10月29日

断腸

 『若紫』がまだ途中で、以下略。
 リクエストにお応えします!漢文です。ハンカチのご用意を!
〈本文〉
桓公入蜀、至三峽中。部伍中有得猿子有。其母縁岸哀號、行百餘里不去。
遂跳上船、至便即絶。破視其腹中、腸皆寸寸断。公聞之怒、命黜其人。
〈書き下し文〉
桓公(かんこう)、蜀(しょく)に入り、山峡(さんきょう)の中(うち)に至る。部伍(ぶご)の中に猿子(えんし)を得(う)る者あり。その母岸に縁(よ)りて哀號(あいごう)し、行くこと百余里にして去らず。
ついに跳(おど)りて船に上(のぼ)り、至れば便即(すなわ)ち絶(た)ゆ。破りてその腹の中を視(み)れば、腸(はらわた)みな寸寸(すんずん)に断(た)えたり。公、之を聞きて怒(いか)り、命じてその人を黜(しりぞ)けしむ。
dancho.jpeg
〈juppo〉描きながら涙が止まりませんでした。と、いうことはないですが、日頃何気なく目にしていた「断腸の思い」という言葉の裏に、こんな壮絶な物語が隠されていたとは!全米が泣いた!て感じで映画化決定ですよね。

 『断腸』というタイトルはこのエピソードの通称で、出典は『世説新語』という書物の、『黜免』というお話のようです。
 桓公は四世紀の中国の人です。武将です。桓温が本当の名前です。蜀は地名です。三峽は長江の上流にある三つの渓谷のことだそうです。

 猿のお母さんは内臓がずたずたになって死んだのですが、私が描いた4コマ目の絵だと、なんか甲板にお腹を打ち付けて死んだみたいになってしまいました。もちろんそうではありませんので。我が子を取り戻したい悲痛な思いで腸もねじ切れるほどだったということですね。

 最後のコマの「激怒」は「げきおこ」と読まないでくださいね。「げきど」ですよ。

 短いながらも胸を打つお話ですよねー。これからは「断腸の思い」という言葉を用いる時は、本当に腸がちぎれるほどの感情かどうか、冷静に判断して使いたいと思います。


 ところで、9月の初めに健康診断に行った私は尿タンパクの数値で再検査になってしまいました。体調によっても出る数値ということでしたが、再検査の結果が出るまではやはり気がかり。今日結果を聞きに行き、全く何の問題もないことが分かりました〜良かった〜。
 今年の夏はあんなに暑かったので、ほぼ毎日軽い熱中症のような健康状態でしたから、その影響が出ていたのだと思います。もう暑くないので、すっかり元気です。皆さんも体調にはくれぐれも気をつけてお過ごしください。
posted by juppo at 00:46| Comment(4) | TrackBack(0) | 漢文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
感謝&感激です!!

とても分かり易く、なによりストーリーの感動がよく伝わります。

三峡も、隊も、母猿もいいですが、やっぱり桓温の人柄が伝わる絵です!

早速、生徒に見せていいですか?
Posted by 一 高校教師 at 2013年11月13日 13:21
一 高校教師 さま

実は描いてしまってからもう一度いただいたコメントを読み返して、この内容でよかったのか不安になってました。
もっと詳細に語られている他の原文があるのかしらと…

納得していただけたのなら一安心です。
是非、生徒さんたちにもご紹介ください!
Posted by 柴田 at 2013年11月13日 16:47
今年は申年。
サルのお話しを探していました。

「断腸の思い」のお話し絵本を探していたら
こちらにたどり着きました。

わかりやすくて見やすいです。
図書室に飾らせていただいてもよいですか?
Posted by 小学校の図書の先生 at 2016年01月10日 14:00
小学校の図書の先生さま

コメントありがとうございました。
図書室でお仕事をされているなんて羨ましいです。
お邪魔にならないようでしたら、是非置いてくださいませ。
見てくれる生徒さんがいたら嬉しいです。
Posted by 柴田 at 2016年01月10日 14:46
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