続きです。ちょっぴりです。
〈本文〉
主(ぬし)はその御時の母后(ははきさい)の宮の御方(おんかた)のめしつかひ高名(かうみやう)の大宅(おほやけ)の世継(よつぎ)とぞいひ侍りしかしな。されば、主の御年(みとし)は、おのれにはこよなくまさり給へらむかし。みづからが小童(こわらは)にてありし時、主は二十五、六ばかりのをのこにてこそはいませしか」といふめれば、世継、「しかしか、さ侍りしことなり。さても、主の御名(みな)はいかにぞや」といふめれば、「故太政大臣殿にて元服つかまつりし時、『きむぢが姓(しやう)はなにぞ』と仰せられしかば、『夏山となむ申す』と申ししを、やがて繁樹(しげき)となむつけさせ給へりし」などいふに、いとあさましうなりぬ。
〈juppo〉あっという間に年の瀬です。高校生の皆さんはテスト中でしょうか。
前回登場したじじい2人が名乗り合っている今回です。
よぼよぼのじじいは大宅世継という名前です。年下の、ややよぼよぼのじじいは夏山繁樹というそうです。名前だけ聞くと、イケメンライダー系俳優みたいですよね〜。
姓が夏山なので、夏の山なら木が繁ってるよね、と大臣にその場で名前をつけられたんですね。
世継じじいの経歴で、「その御時の母后の・・・」と「の」だらけの文が出てきますが、結構そのまま訳しちゃいましたが、要するにその時の帝のお母さんが住んでいた御殿で働いていた人、という意味です。
今回でこの章は終了で、結局じじい達の自己紹介で終わっていますが、この次の章で2人の年齢が明らかになるんです。それぞれ何歳なのかここでは明かしませんが、化け物みたいな尋常じゃない年齢です。超高齢化と言われる21世紀もビックリな。
最後に、端で聞いている名もない侍がビックリしてるのも、2人が話している内容があまりに昔の出来事なので「えっ、その時の人がここに!?」という驚きのようです。
ところで、ここに来て『大鏡』のリクエストが立て続いておりまして、お預けになっている『若紫』には当分戻れそうにありません。
私は高校生の時『大鏡』を古文の授業で習った覚えがないんですけど、高校生ってこんな難しいお話を読むんだなぁ〜と感心しています。
テスト中の高校生の皆さん、乾燥には気をつけて勉強頑張ってください。
2013年12月06日
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