タイトルが違いますが、前回の続きです。
〈本文〉
されば、上の御局(みつぼね)にのぼらせ給ひて、「こなたへ」とは申させ給はで、われ夜の御殿(おとどお)に入らせ給ひて、泣く泣く申させ給ふ。その日は、入道殿は上の御局に候はせ給ふ。いと久しく出でさせ給はねば、御胸つぶれさせ給ひけるほどに、とばかりありて、戸をおしあけて、出でさせ給ひける御顔は赤みぬれつやめかせ給ひながら、御口はこころよく笑(ゑ)ませ給ひて、「あはや、宣旨くだりぬ」とこそ申させ給ひけれ。いささかの事だにこの世ならず侍るなれば、いはんや、かばかりの御有様は、人のともかくもおぼしおかむによらせ給ふべきにもあらねども、いかでかは院をおろかに思ひ申させ給はまし。その中にも、道理すぎてこそは、報じ奉りつかうまつらせ給ひしか。御骨をさへこそはかけさせ給へりしか。
〈juppo〉前回申し上げました通り、『関白の宣旨』をというリクエストでしたので、何しろ宣旨がくだるところまでは描かなければと思い、この章まで描きました。前回の分と合わせて試験範囲だった方、今回の方がむしろ試験のメインだったという方、多分もう試験は終わっていることでしょうから、お詫びいたします。遅れてすみませんでした。
そういう訳で、ついに道長に宣旨がくだりました。これで晴れて関白ってヤツになれるらしいです。どれほどの快挙なのかよくわかりませんが、女院が涙で顔をつやめかせるほどですから、そうとうお目出度いことなのでしょうね。
女院の力添えで関白になった道長は恩返しを心に誓い、以降恩を返し続けたようです。
最後のコマで女院の骨を「かけさせ給ひ」というのは、首にかけたらしいんですけど、描いてから「こんなかけ方ってある?骨壺を首から下げたくらいなのでは?」と不安になりました。
でも、道理を超えるレベルの報恩なんですよね。中でも、というくらい際立った振る舞いについての叙述のようなので、こんな感じでよいのでしょうか。まぁ、逸話ですし、実際道長がそんな事をしたかどうかも確定的ではないようなので。
ともかく、試験が終わった皆さん、お疲れ様でした!
ホッとして風邪などひいてないと良いのですが。試験休み、冬休みは是非エンジョイしてくださいね〜。
ところで先日、ふとしたことから浅草に行って来ました!20年ぶりくらいに浅草寺仲見世を歩いたんですけど、あまりにも人だらけなのに圧倒されました。20年前はこんなじゃなかった。駅前に人力車もあんなに停まってなかった・・と、浦島気分で参詣しました。
今年は、東京タワーに行き、両国国技館で相撲を見、この度久々に浅草に詣でたりと、1年かけて東京見物した年でした。そんな中、東京スカイツリーにはまだ行った事がないんですね。まだまだまだ混んでいて行列に並びに行くだけだと思うと、足が向かないんですよね。まだ混んでいる間に、横浜ランドマークタワーで今さら展望を楽しむのはどうだろう、なんてちょっと考えたりしています。
2013年12月16日
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