2014年05月08日

児(ちご)の飴食ひたること@

引き続き、リクエストにお応えします。『沙石集』巻八です。
〈本文〉
ある山寺の坊主、慳貪(けんどん)なりけるが、飴(あめ)を治(ぢ)してただ一人食ひけり。
よくしたためて、棚に置き置きしけるを、一人ありける小児に食はせずして、
「これは人の食ひつれば死ぬる物ぞ。」
と言ひけるを、この児、
「あはれ食はばや。食はばや。」と思ひけるに、坊主他行の隙に、棚より取り下ろしけるほどに、打ちこぼして、小袖にも髪にも付けたりけり。
日ごろ欲しと思ひければ、二、三坏よくよく食ひて、坊主が秘蔵の水瓶を、雨垂りの石に打ち当てて、打ち割りておきつ。
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〈juppo〉リクエストは「児の知恵」というタイトルでいただきましたが、調べているうちに『沙石集』の「児の飴食ひたること」という作品名が一般的なようなので、そちらで行くことにしました。

この話知ってるぞ、と思われた方もいらっしゃるかと思います。狂言の『附子(ぶす)』という演目で、小学校の国語の教科書にも載っていました。中学校の英語の教科書にも、これは別に狂言ではないですが、昔話として載っているのを見たことがあります。
『附子』では附子は砂糖のことで、それを太郎冠者と次郎冠者のふたりが食べてしまうという話でした。
英語の教科書に載っていたお話でも、小坊主が3人くらい出てきたと思います。

ここでは子供はひとりです。今まで、『宇治拾遺物語』で「児の・・・」というタイトルのお話では、児を小坊主として描いていました。その時に児はお稚児さんで小坊主ではないのでは?というご指摘があったり、私も悩みつつ、結局小坊主を描いていたんですが、今回は普通の子供にしました。もうお気づきのように、途中で飴が髪についたり小袖についたり、という記述があるからです。

飴とはどんな飴なのか、詳しい説明を見つけられませんでしたが、内容から水飴みたいなものかな、と思って描きました。
小袖は袖が筒状の着物のことです。小袖はともかく、髪がある以上小坊主姿に描くのも変かなぁ、と思い、絵のような子供になりました。

坏は「つき」と読むんですね。足付きのものなどもあるようですが、お皿より深い器、ということです。

ちょっと長いので、2回に分けます。飴を食べてしまった後、水瓶をたたき割るという児の意表をつく行動の裏に隠された秘策とは!?近日公開。
posted by juppo at 00:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 沙石集 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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