続きです。期末テスト中の皆さん、ご苦労様です。
〈本文〉
「渡らせ給(たま)へ」と申(まう)させ給へば、思ふにこのことならむ、とおぼしめして、渡らせ給はぬを、たびたび、なほも御消息(ごせうそこ)ありければ、渡らずばいとどこそはむづからめと、恐ろしう、いとほしくおぼしめして、おはしましたるに、「いかで、かかることはせさせ給ひたるぞ。いみじからむさかさまの罪ありとも、この人々をばおぼしめし免(ゆる)すべきなり。いはむや、まろが意(こころ)ざまにて、かくせさせ給ふは、いとあるまじく心憂(こころう)きことなり。ただ今召(め)し返(かへ)せ」と申させ給ひければ、「いかでか、ただ今は免さむ。音聞(おとぎ)き見苦しきことなり」と聞こえさせ給ひけるを、「さらにあるべきことならず」と、責め給ひければ、「さらば」とて、帰り渡らせ給ふを、「おはしましなば、ただ今しも免させ給はじ。ただこなたにてを召せ」とて、御衣(おんぞ)をとらへ奉(たてまつ)りて、立て奉らせ給はざりければ、いかがはせむとおぼしめして、この御方(おほんかた)に職事(しきじ)召してぞ、参(まゐ)るべきよしの宣旨(せんじ)を下させ給ひける。これのみにもあらず、かやうなる事(こと)ども、いかに多く聞こえ侍(はべ)りしかは。
〈juppo〉後半はほとんど夫婦ゲンカの8コマでした。完全に尻に敷かれる村上天皇です。中宮安子は、調べたら13歳くらいで村上さんに嫁いでいます。嫁いだ時はまだ天皇ではありませんでした。村上天皇を継ぐ冷泉天皇、その次の円融天皇を産んだ人なのだそうです。そしてこの『大鏡』ではおなじみの、藤原道長は甥にあたるそうですよ。
帝にとっては本妻ですし、子供を何人も産んでいるらしいので、もっとどーんと構えていても良さそうな気もしますが、この気性の荒さがあってこそ本妻の座を死守し得たのかもしれません。38歳くらいで亡くなってしまうようですけど。
一方の帝はどう見ても后を愛してますよね。なんだかんだ言っても妻の要求を最後には飲んでますからねー。「さかさまの罪」というのはその名の通り、従うべき主君や親を裏切る罪のことだそうですが、そんな罪を犯しても自分に免じて許すべきだ、という主張です。その自信は一体どこから・・・と呆れるほどの強さに押されるしかなかったとしても、恐らくこういう事が日頃から繰り返されていて、そのつど帝が引いてるんだろうな、と思わせる結末であります。
このお話は今回で終了です。前回書いた通り、ここに至る前半部分はいつか機会かリクエストがあったら、描こうと思います。
さて、期末テストが終わればもうすぐ夏休みですね!皆さん、夏休みの予定はもうお決まりですか?
我が家では最近、奥多摩方面の温泉巡りがブームです。
これでも東京都。
秋川渓谷では忍者を募集しております。
先週は山梨まで。
2014年07月06日
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しばらくお待ちくださいね〜。