2015年06月30日

圉人之罪

ご無沙汰ぶりが甚だしいですね。リクエストにお応えします。漢文です。
〈本文〉
 景公有馬。其圉人殺之。公怒援戈、将自撃之。
晏子曰、「此不知其罪而死。臣請為君数之、令知其罪而殺之。」
公曰、「諾。」
 晏子挙戈而臨之曰、「汝為吾君養馬而殺之。而罪当死。汝使吾君以馬之故殺圉人。而罪又当死。汝使吾君以馬故殺人聞於四隣諸候。汝罪又当死。」
公曰、「夫子釈之、夫子釈之。勿傷吾仁也。」
〈書き下し文〉
 景公(けいこう)馬あり。その圉人(ぎよじん)これを殺す。公怒りて戈(ほこ)を援(と)り、将(まさ)に自らこれを撃たんとす。
晏子(あんし)曰(いは)く、「これその罪を知らずして死す。臣(しん)請(こ)う君のためにこれを数(せ)め、その罪を知らしめてこれを殺さん。」と。
公曰く、「諾(だく)。」と。
 晏子戈を挙げてこれに臨んで曰く、「汝(なんぢ)わが君のために馬を養ひてこれを殺す。而(なんぢ)の罪死に当たる。汝わが君をして馬の故(ゆえ)を以(も)つて圉人を殺さしむ。而の罪また死に当たる。汝わが君をして馬の故を以つて人を殺し、四隣(しりん)の諸候(しよこう)に聞こえしむ。汝の罪また死に当たる。」と。
公曰く、「夫子(ふうし)これを釈(ゆる)せ、夫子これを釈せ。わが仁を傷(そこ)なふ勿(な)かれ。」と。
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〈juppo〉いや〜、危なく2ヶ月ぶりの更新になるところでしたが、6月もしっかり更新!しておきます。

 「圉人之罪」は紀元前に書かれた「説苑(ぜいゑん)」という書物にあるお話のようです。書いた人は劉向(りうきやう)だそうです。

 圉人(ぎょじん)は馬の世話をする役人、という肩書きで出て来たりしますが、その人の名前のようなのでそのまま使いました。
 晏子は本名を晏嬰(あんえい)という人で、この時代の歴代の君主に仕えた宰相だそうです。景公は最後の方の代の君主なので、経験豊かな晏子を尊敬して先生と呼んでいるんでしょうね。

 読む前に本文をざっと見て、「罪」とか「死」という字がやたら目に入って来るので、どれほど血なまぐさい話なのかとヒヤヒヤしましたが、死んだのは馬だけで多少安心してご紹介できる次第です。

 同じような文が繰り返し出て来るので読みにくいですね。晏子のいう、死に値する圉人の罪が数々並べられているのですが、お前のせいで君主に人を殺させる事になった(=手を汚させる事になった)とか、お前を殺した事で君主に悪い評判が立つじゃないか、とか、要するに、今ここで圉人を殺したら君主にとって良い事は何もないですよ、と君主に伝えたかったんですね。
 回りくどいけど効果はあった模様です。圉人は死を免れてめでたしめでたし、というお話でした。


 そういう訳で6月ももう終わりですね。今年ももう半分終わってしまった訳です。ついていけません。
 そろそろ期末テストの季節ですか。もう終わった皆さんはお疲れさまでした。テストが終われば夏休みも目前ですね。今年も暑い、と言っている間に夏休みが終わらないよう、計画はお早めに立ててくださいね。
posted by juppo at 00:58| Comment(7) | TrackBack(0) | 漢文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
オチのコマの公の表情が無性にイイです。
現代でもコントとして通用しそうなお話。
Posted by at 2015年08月05日 22:49
コメントありがとうございます!
気に入っていただけたなら、幸いです。
Posted by 柴田 at 2015年08月17日 08:30
こんにちは。

お忙しい中すみません、
またまたリクエストをお願いしたいのですが・・・

漢文です!
王道な話である「四面楚歌」と、
「虎の威を借る狐」をお願いします!!

毎回使わせて頂いている資料は
授業のまとめ・振り返りのために
活用させてもらっています。
生徒達には、大好評です!!
ありがとうございます。
Posted by 新米講師 at 2015年09月16日 08:19
新米講師さま
リクエストありがとうございます。
サボり癖が抜けなくなっていますが、前向きに検討します!
Posted by 柴田 at 2015年09月17日 11:55
さっそく作って頂き、本当にありがとうございます!
たしかに、私の学校が扱っている教科書では、
虎と狐の部分だけです。

この資料を活用させていただき、
生徒達に話のもとも教えたいと思います!


いろいろな初体験!!
なかなかアクティブでしたね〜♪

今後もよろしくお願いします!!
Posted by 新米講師 at 2015年09月25日 11:58
現代語訳も欲しいです
Posted by 八咫烏 at 2017年06月27日 22:33
八咫烏さま

現代語訳もあれば、もっと整理して勉強できますよねぇ。
でも今のところ、このブログでは訳はあくまで漫画で読んでいただく趣旨で作っております。
ご迷惑をおかけしますが、ご容赦ください。
Posted by 柴田 at 2017年06月28日 04:51
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