2017年02月06日

扇の的A

続きです。とってもスペシャルなコトになっています!
〈本文〉
さも候へ、扇をば射させらるべうや候らん」と申(まうす)。「射つべき仁(じん)は、みかたに誰(たれ)かある」との給へば、「上手どもいくらも候なかに、下野(しもつけの)国の住人、那須(なすの)太郎資高(すけたか)が子に、与一宗高(よいちむねたか)こそ、小兵(こひやう)で候へども、手ききで候へ」。「証拠(しやうこ)はいかに」との給へば、「かけ鳥なんどをあらがうて、三(みつ)に二(ふたつ)は必ず射落(ゐおと)す物で候」。「さらば召せ」とて召されたり。
 与一、其此(そのころ)は、二十(にじふ)ばかりのおのこ也。かちにあか地の錦をもつて、おほくび・はた袖いろえたる直垂(ひたたれ)に、萌黄(もよぎ)をどしの鎧(よろい)着て、足じろの太刀をはき、切斑(きりふ)の矢の、其日のいくさに射て少々残つたりけるを、かしらだかに負ひなし、うす切斑に鷹の羽はぎまぜたるぬた目のかぶらをぞさしそへたる。しげどうの弓脇にはさみ、甲(かぶと)をば脱ぎたかひもにかけ、判官の前に畏(かしこま)る。「いかに宗高、あの扇のまんなか射て、平家に見物せさせよかし」。
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〈juppo〉下野国は今の栃木県のあたりです。今回、このお話を描くために那須与一について調べている中で、栃木県大田原市のゆるキャラ「与一くん」の存在を知りました。今まで知らなくてゴメンなさい。
 与一くんの可愛さに釘付けになった私は、「これはこのキャラで話を進めるべきでは!?」と思い立ち、大田原市観光協会に出演依頼のメールを送ったところ、格別なお計らいにより、出演を快諾していただき、この度のコラボ作品が実現したというわけです。大田原市観光協会さま、与一くん、ありがとうございました!

 そんなわけで、那須与一について詳しく知りたい方は、こんなところにいないで是非大田原市のページを訪れてください。
 「小兵」というと今だと、「小兵力士」というのをよく聞きますよね。里山とか石浦とか、宇良くんとか。もともと、兵ですから大柄ではない兵士のことを指すわけですね。
 後半は主に、与一の装束が詳しく語られています。詳しく書かれてはいますけれど、まぁ与一くんのようなファッションだったと思っていただければ良いと思います。
 「足じろの太刀」とは、刀の鞘に紐をつける金具(足金物)が銀で出来ている、ということのようです。
 「切斑」は矢の羽の黒白の斑紋のことで、「薄切斑」はその黒白がぼんやりしているものだそうです。
 「かぶら」は「鏑矢(かぶらや)」のことで、矢の先に鏑と呼ぶキャップのような物をつけて、飛ばす時に大きな音が鳴るようにしたものです。形が野菜のカブラ(かぶ)に似ているのでこういうそうです。
 「たかひも」は、鎧の前後を肩の部分で結ぶ紐だそうです。
・・・などなど、それぞれ詳しく絵に描いてはいないのですが、皆さんも実際に甲冑を着て戦場に赴く機会でもなければ、気にする必要は生じないものかと思われます。

 判官義経に扇を示され「やっちゃえよ!」的なお言葉を得た与一くんの活躍が、次回は見られますかどうか、しばらく続きます。


大田原市観光協会
http://www.ohtawara.info/index.html

与一くんブログ
http://o-yoichi.jugem.jp
posted by juppo at 00:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 平家物語 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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