2017年11月20日

五月ばかり、月もなうC

お待たせしました。続きです。『高校古文もっとこういう話』は本日発売です!
〈本文〉
帰るとても、なほ同じことをもろ声に誦(ず)して、左衛門(さえもん)の陣入るまで聞こゆ。
 つとめて、いととく、少納言の命婦(みようぶ)といふが、御文(おんふみ)参らせたるに、この事を啓したりければ、下(しも)なるを召して、「さることやありし。」と問はせたまへば、「知らず。何とも知らではべりしを、行成の朝臣(あそん)の取りなしたるにやはべらむ。」と申せば、「取りなすとも。」とて、うちゑませたまへり。
 たがことをも、「殿上人ほめけり。」など聞こしめすを、さ言はるる人をも、喜ばせたまふもをかし。
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〈juppo〉言い忘れていましたが、今日発売の『高校古文もっとこういう話』には、ブログに今まで掲載していない、描きおろしの作品が収録されています!言い忘れたというか、前回お知らせの記事を書いた時、描きおろしたこと自体忘れていました。いずれブログにもそのまま掲載すると思いますが、待ちきれない方は是非書籍をお求めください。以上宣伝でした。

 『五月ばかり、月もなう』は今回で終了です。結局やっぱり清少納言さんのさりげない自慢話、て感じですが、清少納言さんとしては「私のことじゃなくて中宮さまのお人柄が素晴らしいって話なのよ!」な話なんでしょうね。

 この4回目を描く段になって、昨夜のことを中宮さまは知らないの?え?中宮さま同席してなかったっけ?と、これまでの3回分を描き直さないといけないかとヒヤリとしたのですが、1回目に中宮さまのセリフがあるし、やはり中宮さまはそこにいたんですよ。でも殿上の間で清少納言さんの株が急上昇していたことは外で話していたので、中宮さまのお耳には入っていなかったのだな、と解釈しました。皆さんもそのつもりでお読みください。

 左衛門の陣はそういう名前の武官の詰所だそうです。
 中宮さまは「取りなすとも」と、その後まで言っていないんですけど、「行成どのがとりなしてくれたのだとしても、あなたの才能あってのことでしょ」というようなことを言っているわけで、その裏には竹の名前なんて知らなかったと言い張る清少納言さんの謙遜もお見通し、て意味もあるようですね。

 
 この回を描き始めた後で、突然我が家の冷蔵庫が壊れました。すぐに新しいのを買ったんですけど、入れ替えのために古い冷蔵庫の奥に眠っていた正体不明の瓶詰めやら何やらを捨てたり、冷蔵庫の通り道を確保するために掃除したり、で描きあがるのが一週間ほど伸びました。たくさん捨てたので新しい冷蔵庫の中はスッカスカです。冷凍庫なんて保冷剤しか入っていません。
posted by juppo at 05:25| Comment(0) | 枕草子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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