2018年07月21日

四面楚歌@

暑いですね〜。夏休みですね。漢文です。『史記』です。リクエストにお応えしています!
〈本文〉
項王軍壁垓下。 兵少食尽。
漢軍及諸侯兵、囲之数重。
夜聞漢軍四面皆楚歌、
項王乃大驚曰、
「漢皆已得楚乎。 是何楚人之多也。」
項王則夜起飲帳中。
有美人、名虞。 常幸従。
〈書き下し文〉
 項王(かうわう)の軍垓下(がいか)に壁(へき)す。兵少なく食尽く。
漢軍及び諸侯の兵これを囲むこと数重(すうちょう)なり。
夜漢軍の四面皆楚(そ)歌(か)するを聞き、
項王すなはち大いに驚きて曰はく、「漢皆すでに楚を得たるか。これ何ぞ楚人(そびと)の多きや」と。
項王すなはち夜起(た)ちて帳中(ちやうちゆう)に飲む。
美人あり、名は虞(ぐ)。常に幸(かう)せられて従ふ。
shimensoka1.jpeg
〈juppo〉項王といえば、以前「項王の最期」を描きました。今回のお話を描くのに「四面楚歌」で画像検索すると、その時描いた自分の漫画も出てくるので、それも参考にしました。原画を探すより速くてラクです。いい時代になりましたねぇ。

 そういうわけで、項王は今回立てこもった垓下の城壁内で最期を迎えるのではないことが分かっているのですが、「四面楚歌」って「絶体絶命」のような意味で使う四字熟語ですよね。
 立てこもった城壁の四面から楚の歌が聞こえてきたのを聞いて、絶望的になった項王の心情を表した四字熟語が、「四面楚歌」ということなんですね。
 私はこれを描くまで、楚の歌イコール敵国の歌だと思っていました。ところがなんと、楚の国は項王の故郷だったのですね!!
 
 項王こと項羽は楚の人で、漢の劉邦と「漢楚の争い」をここまで5年ほど繰り広げてきたらしいです。詳しくは「項羽と劉邦」などで!
 ここでは「項王は楚の人」ということだけ分かっていれば大丈夫です。

 自分の故郷の人々が敵の側について、今自分を包囲していることが分かった項王の衝撃・・からの宴会、な場面ですね。
 楚の歌の歌詞まで書き込んでありますが、もちろん適当です。ソ〜は青い空〜♩の節で作ったつもりでしたが、字余りになってしまいました。

 続きがあります。2回で完結します。


 それにしても、暑いですね。今年も熱中症との戦いの日々です。外出に保冷剤の携帯が欠かせません。
 
 こんなことでは2年後のオリンピックが思いやられますよね〜。8月に都心でフルマラソンなんて、正気の沙汰とは思えません。朝の4時ごろ奥多摩を出発するコースにしろとあれほど言ったのに、てなことにならないでしょうか。
 今からでも前回の東京五輪同様、10月開催に変更すればいいのに、と思うんですけど。観戦に来る外国人の皆さんも、どうせならついでに紅葉が見られた方がいいはずですよねぇ。次は桜を見に来よう!と、リピーターにもなってくれそうですし。

 皆さんも、熱中症にはくれぐれも気をつけて。快適に夏を過ごしてくださいねー。
posted by juppo at 20:54| Comment(2) | 漢文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
拡大したら楚歌がさり気なく解り易い解説になっていて笑いました。何てのどかな四面楚歌。
Posted by at 2018年08月01日 20:08
拡大までして細かいところに気づいていただき、嬉し恥ずかしです。
ありがとうございます。
Posted by 柴田 at 2018年08月07日 15:23
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