〈本文〉
須磨には、いとど心づくしの秋風に、海はすこし遠(とほ)けれど、行平の中納言の、関吹き越ゆると言ひけん浦波、よるよるはげにいと近く聞こえて、またなくあはれなるものは、かかる所の秋なりけり。
御前にいと人少なにて、うち休みわたれるに、ひとり目をさまして枕をそばだてて四方(よも)の嵐を聞き給ふに、波ただここもとに立ちくる心ちして、涙落つともおぼえぬに枕浮くばかりになりにけり。琴(きん)をすこし掻き鳴らし給へるが、我ながらいとすごう聞こゆれば、弾きさし給ひて、
恋(こひ)わびてなく音(ね)にまがふ浦波は思ふかたより風や吹くらん
とうたひ給へるに、人々おどろきて、めでたうおぼゆるに、しのばれで、あいなう起きゐつつ、鼻を忍びやかにかみわたす。

〈juppo〉『源氏物語』は苦手です。初巻の「桐壺」くらいなら何とかついていけるのですが、この辺のお話になると、今どのくらいの時期で源氏と誰が何をどうしているのか、さっぱりです。
とりあえず、源氏は主人公ですよ。画像名はsmaですが、主人公は光源氏です。今さら紹介されてないですけど。
そして「須磨」とは今の神戸市須磨区に当たる、地名なんですね。
なぜ源氏一行が須磨にいて、やたら悲しそうなのかもさっぱり分からないまま実は描いていましたが、今ちょっと調べたら、朧月夜との恋愛のために追い詰められた源氏が都から須磨に退去することになったとか何とか、だそうです。朧月夜はそういうわけで女性の名前ですね。源氏にはすでに息子がいて、その息子のためにも退去を決意したとか。このブログでご紹介している『源氏物語』は「若紫」ぶりなので、その時からはだいぶ時間が経っているようです。
行平の中納言とは在原行平という人のことで、須磨に蟄居させられた経歴があり、そこで詠んだ歌が古今集などに入ってるんですね。「関吹き越ゆる・・・」の歌は、
秋風の関吹き越ゆるたびごとに声うち添ふる須磨の浦波
というのだそうです。
5コマ目は、涙の海に枕が浮いている様子を描いていますが、「枕浮く」という語が「枕が浮いてしまうほどたくさんの涙を流す」というような意味なのでその意味通りの絵にしただけで、実際にはこんなことは起こってないと思います。漫画とはそういうものですよね。
描いてる本人があまり良くわかってないまま描いてるので、説明もおぼつかないですが、何しろ「源氏の身の上」とは都に残した愛する人や親しい人たちを思い出して悲しんでる身の上かな、なんて思って読んでください。
続きがあります。もう1回。少しお待ちください。
ところで!
前回の記事に書くつもりですっかり忘れてしまったまま、お知らせするのが1ヶ月遅くなってしまったのですが、お知らせです!
『高校古文こういう話』の書籍化第三弾が発売になります!!
ありがとうございます。皆さんのおかげで3冊目の本が出ます。発売日は11月中だと思われます。続報もお待ちください。
ちょうど授業が源氏物語の桐壺に入りましたので、また参考にさせていただきます(^^)
第三弾おめでとうございます!発刊を楽しみにしております。
ありがとうございます!
これからもお役に立てるブログになれるよう心がけて頑張ります。
よろしくお願いします!
光源氏が須磨に行って、これでもう女と関係もてないだろ!と思っていたところ、次の瞬間、明石で子供出来てるんですよね😂もう光源氏色々と酷すぎます笑
3巻おめでとうございまーす!!!🎂✴
父におねだりします!😁笑
ちょっとレクチャーしてもらいに駆けつけたい思いです!
やっぱり、相変わらずな光源氏の場面だったんですね〜。ほとんど知らずに描いてるのもどうかと思います💦
ご無沙汰してる間に書籍化なんてしてたんですよー(^^;)
なかなか書店に並ぶまでにはいかないので、もしよろしかったらポチッとしてください。