いつもより更新が遅れ気味です。この間、遊んだり働いたりしておりました。続きです。
〈本文〉
化粧(けさう)したらばきよげにはありぬべし心うくもあるかなとおぼゆ。かくまでやつしたれど、みにくくなどはあらで、いと様異(さまこと)に、あざやかに気高く、はれやかなるさまぞあたらしき。練色(ねりいろ)の綾(あや)の袿(うちぎ)ひとかさね、はたおりめの小袿(こうちぎ)ひとかさね、白きはかまを好みて著(き)給へり。この虫をいとよく見むと思ひて、さし出(い)でて、「あなめでたや。日にあぶらるるが苦しければ、こなたざまに来るなりけり。これを一も落とさで追ひおこせよ。わらはべ」とのたまへば、突き落とせば、はらはらと落つ。白き扇(あふぎ)の、墨ぐろに真名(まんな)の手習(てならひ)したるをさし出でて、「これに拾ひ入れよ」とのたまへば、わらはべ取りいづる。みな君たちも、あさましう、「さいなんあるわたりに、こよなくもあるかな」と思ひてこの人を思ひて、いみじと君は見給ふ。
〈juppo〉前回からずっと、多分次回も、引き続き姫を覗き続ける右馬の助と中将です。とにかくずっと観察してますよね。姫に対する感想が上がったり下がったりしていますが、素材はいいのにそれなりに装ってないのが惜しい、という結論のようですね。
今回は姫の装束が詳しく説明されています。「練色」は薄い黄色味を帯びた白だそうです。「はたおりめ」はキリギリスのことだそうなんですけど、この時代のキリギリスは今のコオロギだそうです。・・・て、コオロギ模様の着物!?小袿は袿の上に著る着物だそうなので、この姫のアウターがコオロギ模様だということですよ。改めて、攻めた装いの姫ですね。白いハカマも、普通女子は着ないそうです。現代人から見ても、だんだん姫が本当に普通じゃないことがわかってきましたね〜。
毛虫が木の幹を這っているのが、日に当たらない方向に移動しているのか!ということにいたく感心してその毛虫を拾い集めさせる姫の様子を見て、やはり右馬の助もびっくりです。一筋縄では行かなさそうな雰囲気を感じ取ったのでしょうか。
「さいなんあるわたり」は「才学ある家庭に」とする訳もあるようです。「こよなく」が「この上なく」という意味なので、「才学ある家庭にとんでもない娘がいたもんだ」なんて訳しても良かったのですが、驚きつつも姫の容姿から目を離さない右馬の助、てことにしときました。
次回はもう10回ですね〜。できたらまた来週!
ところで週末、群馬サファリーパークに行ってきました。
ドアミラーにツノを擦り付けに来るエランド?
草食動物の匂いが残っているのかライオンも来ました。
羊は自分の毛にすりすり。
柴田様の漫画のいくつかを授業で使用したいのですがよろしいでしょうか?
宜しくお願い致します。
コメントありがとうございます。
こちらに掲載している漫画は、ご自由に授業などで使っていただいて構わないですよ〜。
これからもどうぞよろしくお願いします!