2020年02月24日

明石の姫君の入内@

お待たせしました!いよいよ本編スタートです!!
〈本文〉
 かくて、御参りは北の方添ひたまふべきを、常にながながしうはえ添ひさぶらひたまはじ、かかるついでに、かの御後見(うしろみ)をや添へまし、と思す。上(うへ)も、つひにあるべきことの、かく隔たりて過ぐしたまふを、かの人もものしと思ひ嘆かるらむ、この御心にも、今はやうやうおぼつかなくあはれに思し知るらん、方々(かたがた)心おかれたてまつらんもあいなし、と思ひなりたまひて、「このをりに添へたてまつりたまへ。まだいとあえかなるほどもうしろめたきに、さぶらふ人とても、若々しきのみこそ多かれ。御乳母(めのと)たちなども、見及ぶ事の心いたる限りあるを、みづからはえつとしもさぶらはざらむほど、うしろやすかるべく」と聞こえたまへば、いとよく思しよるかなと思して、「さなん」とあなたにも語らひのたまひければ、いみじくうれしく、思ふことかなひはつる心地して、
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〈juppo〉このシリーズは全6回です。もう全部描きました。思いのほか時間がかかったのはやっぱり『源氏物語』だからです。や、や、こしいぃ。ちょっと何言ってるかわからない話が延々続くので、訳本にかなり頼りましたが、絵にする以上誰が誰に話してるのかとか、誰のことを思ってるのかとか、整理しないわけにいかず、誰のことかわかってみると新たに「それは一体誰」な疑問が浮かぶため、ウィキペディアの解説などにも当たりながら描きました。エピソード0で人物相関図を作っておいたのは結局その後自分のためにもなったのでありました。

 冒頭いきなり「かくて」で始まるのはその前にもいろいろなお話があったからですが、その辺は全く不勉強なまま描いています。多分、いろいろあって明石の姫君が東宮に入内することになったいきさつとか、それに関する話とか、あるいは全く別の場面の物語が綴られていたかもしれません。いずれ機会があればその辺もご紹介できたら。

 そういうわけで、入内する姫君が一応ヒロインなのかなとも思いますが、実はその実母の明石の君と、姫の育ての親である紫の上の両人がお互い気を遣いあい脚光を浴びあい、後ろで源氏がそれを見守る、というような章になってます。それほど大きな動きのあるドラマでもないです・・なんて初回にぶっちゃけてどうする。でもそんな感じです。

 ともかく次回は近いうちに。
posted by juppo at 23:10| Comment(0) | 源氏物語 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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