2020年03月15日

明石の姫君の入内C

自分が普通に生活していても、行動範囲が狭められてはいます。続きです。
〈本文〉
またいと気高(けだか)う盛りなる御けしきを、かたみにめでたしと見て、そこらの御中にもすぐれたる御心ざしにて、並びなきさまに定まりたまひけるも、いと道理(ことわり)と思ひ知らるるに、かうまで立ち並びきこゆる契りおろかなりやはと思ふものから、出でたまふ儀式のいとことによそほしく、御輦車(てぐるま)などゆるされたまひて、女御(にようご)の御ありさまに異(こと)ならぬを、思ひくらぶるに、さすがなる身のほどなり。
 いとうつくしげに雛(ひひな)のやうなる御ありさまを、夢の心地して見たてまつるにも、涙のみとどまらぬは、ひとつものとぞ見えざりける。年ごろよろづに嘆き沈み、さまざまうき身と
思ひ屈(く)しつる命も延べまほしう、はればれしきにつけて、まことに住吉の神もおろかならず思ひ知ら流。思ふさまにかしづききこえて、心及ばぬこと、はた、をさをさなき人のらうらうじさなれば、
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〈juppo〉ただでさえ行動範囲が制限されているところに、この土曜日東京はまさかの雪。不本意ながら引きこもる週末です。

 紫の上と明石の君は、隔たりなく相対している間にもお互いをじっくり観察して思いを巡らせているのですね。今回は特に、明石の君が紫の上と自分を比較して落ち込んだり安堵したりしています。一コマごとに揺れ動く乙女な心の明石の君は、「枕草子」で中宮様に相対している時の清少納言さんを思い起こしますね。私の描くキャラがほとんど同じだからそう見えるのかもしれませんけれども。

 唐突に「住吉の神」に感謝していますが、明石の君はこの神様に毎年参詣していたことがあったようです。神頼みは祈るだけでなく、成就した暁には感謝の念を忘れないことが肝心ですね。

 「をさをさ」は「めったに」とか「ほとんど」という意味で、「らうらうじ」は「才気がある」というような意味です。
 明石の姫君の可愛らしさも並大抵でないようですが、母である明石の君もタダモノではない、出来た女性なんですね。
posted by juppo at 00:48| Comment(0) | 源氏物語 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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