〈本文〉
おほかたの寄せおぼえよりはじめ、なべてならぬ御ありさま容貌(かたち)なるに、宮も、若き御心地に、いと心ことに思ひきこえたまへり。いどみたまへる御方々の人などは、この母君のかくてさぶらひたまふを、瑕(きず)に言ひなしなどすれど、それに消(け)たるべくもあらず。いかめしう、並びなきことは、さらにもいはず、心にくくよしある御けはひを、はかなきことにつけても、あらまほしうもてなしきこえたまへれば、殿上人なども、めづらしきいどみ所にて、とりどりに、さぶらふ人々も、心をかけたる女房の用意ありさまさへ、いみじくととのへなしたまへり。
上もさるべきをりふしには参りたまふ。御仲らひあらまほしううちとけゆくに、さりとてさし過ぎもの馴れず、侮(あなづ)らはしかるべきもてなし、はた、つゆなく、あやしくあらまほしき人のありさま心ばへなり。

〈juppo〉家にいてばかりで身体がなまってきますね。私はスマホのアプリを使ってストレッチしています。それと著しく曜日の感覚がなくなってきました。テレビ番組が頼りですが特番の多いこの時期は注意が必要です。金曜日なのにチコちゃんがなくて「ファミリーヒストリー」だったりすると、週末感が薄れまくりです。
家にいれば安心であっても、気を引き締めて生活しないといけませんね。
さて「明石の姫君の入内」も5回まで来て残すはあと1回です。古文にはよくある「文に主語がない」問題がこの箇所では顕著です。特に「とりどりに、さぶらふ人々も〜なしたまへり」の部分、よくわからないまま描きましたが、「さぶらふ人々」は殿上人に仕える女官たちのことで、「心をかけたる女房」は「心をかけたる」が姫君のことで、「女房」は姫君に仕える女官のことですよね。そして「ととのへなしたまへり」は、明石の君がその女官たちを仕込んでいる、てことですね。あーややこしい。
ところで3コマ目はちょっと遊びました。このブログの漫画はいつも「マル描いてちょん」な絵でお届けしていますが、楽に描けるからそういう絵でやっているだけで、描こうと思えばこんな絵も描けるんだからぁ、という気持ちが時々抑えられなくなって遊んでしまいます。念のために姫君です、これ。
そういうわけで次回はいよいよ最終回です。土曜日深夜に「おしん」一週間分まとめ放送を見ながら最近は更新していましたが、今日で終了なんですよねぇ。来週は「はね駒」まとめ放送を見ながらになるのでしょうか。