2020年11月15日

くらもちの皇子と蓬萊の玉の枝E

今週もひとり寂しく過ごす週末の更新です。この一週間はそれでも、ちょっと忙しかったです。
〈本文〉
船の楫(かぢ)をなむ迫(せ)めて見る。海の上にただよへる山、いと大(おほ)きにてあり。その山のさま、高くうるはし。これや我が求むる山ならむと思ひて、さすがに恐ろしくおぼえて、山のめぐりをさしめぐらして、二三日ばかり、見歩(あり)くに、天人のよそほひしたる女、山の中よりいで来て、銀(しろかね)の金鋺(かなまる)を持ちて、水を汲(く)み歩く。これを見て、船より下りて、『この山の名を何とか申す』と問ふ。女、答へていはく、『これは、蓬萊の山なり』と答ふ。これを聞くに、嬉しきことかぎりなし。この女、『かくのたまふは誰(たれ)ぞ』と問ふ、『我が名はうかんるり』といひて、ふと、山の中に入りぬ。
kuramochi6.jpeg
〈juppo〉その山は間違いなく目指す山だったようです。作り話ですけど。毎回、一応お断りしておきます。上の本文の中の会話は二重カッコに入っていますが、これはもともとくらもちの皇子が語っている文章なので、カッコの中のカッコなんですね。

 その山には女がいました。多分人間じゃないのでフワフワさせてみました。「うかんるり」という名前が「うかんむり」みたいですけど、「うかん/るり」で「姓/名」になってたらそれなりに可愛いですね。るりちゃんです。

 るりちゃんが持っている金鋺、「かなまる」とルビが振られていましたが、「かなまる」では変換できません。鋺の字を何と読んだら良いかわからず、漢和辞典を引きました。「えん」と読むんですね。天秤の皿だとか、金製の椀だとか。要するにお椀のことなので、漫画では「椀」の字にしちゃいました。描いてからよく見たらカネ偏だった、というのが真実ですけどね。

 終わりの方の「かくのたまふは誰ぞ」という問いですが、「この女」に続くセリフなので、女が皇子に尋ねて皇子が名乗ったセリフがカットされてる、など諸説あるようですが、漫画に描いたようなやりとりだと思っておいて良いようです。

 
 各種手続きのためのお役所巡りも一段落・・・はしてないんですけど、ちょっとサボっています。まぁ急ぐこともないか、と思い始めてしまいました。
 それ以外に何が忙しかったかというと、とあるお芝居のお手伝いをしています。チラシやチケットを作ったり、お客様のご案内など。家にいるとぼんやりしてしまうところに思いがけず部活動のお誘いがあった感じです。


 追記です。
 「鋺」の字について、ある高校の先生からメールで「かなまり」と読みます、と教えていただきました。確かに、「かなまり」で変換できます。漢和辞典にもその読みが載っていたのですが、訳に使っている「日本古典文学全集」の原文には「かなまる」とルビが振られていたので、深く考えず記事を書いてしまいました。
 その先生に教えていただいたことには、芥川龍之介の「鼻」や「枕草子」にも登場する字だそうです。勉強不足ですみません〜。
posted by juppo at 22:57| Comment(0) | 竹取物語 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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