最終回です。
〈本文〉
あやしうをどりありく者どもの、装束(さうぞ)きしたてつれば、いみじく定着(ぢやうぎ)などいふ法師(ほふし)のやうに、練りさまよふ、いかに心もとなからむ。ほどほどにつけて、親、をばの女、姉などの、供しつくろひて率(ゐ)てありくもをかし。
蔵人(くらうど)思ひしめたる人の、ふとしもえならぬが、その日青色着たるこそ、やがて脱がせでもあらばやとおぼゆれ。綾(あや)ならぬはわろき。
〈juppo〉五月ももう終わりですねー。タイトルは「三月三日は」ですけど、ここでの賀茂祭は五月に行われているので、そう季節外れでもありません。
お祭りの日が待ちきれない子どもも、いざ当日が来るとかしこまって参加しているようです。「定着」というのは、法会の際、香炉を持って歩くお坊さんのことだそうです。
お祭りの様子より、それに出かける人たちの様子を、何よりその装束に関心を寄せているところは、清少納言さんならではだという以前に、絵にしやすくて助かりました。
「蔵人」は天皇のお側にお仕えする役職で、この男性は昇進したいと思っているわけですが、清少納言さんにとってそんなことはどうでも良く、ただし青の袍が綾織物でないのは良くないと、こういう微妙な価値観が「枕草子」の人気の秘密なのかなー、と思ったところでおしまいです。
最近リクエストが少なくなっていて、今回は季節ものをお届けしましたが、次回はリクエストをいただいた作品を描きます。何を描くかは言わないでおきます。
柴田純子様
はじめまして。みさこと申します。
現在教育実習をしており、「絵仏師良秀」を扱っております。
生徒たちの理解を深めるために、柴田様の描いた「絵仏師良秀」の漫画を印刷して配布をしたいのですが、よろしいでしょうか。
どこかで使用の可否を言及されていたら申し訳ありません。
ご検討よろしくお願いします。
みさこ
コメントありがとうございます。
そして教育実習、お疲れ様です!
ブログの漫画は授業でお使いいただいて構いませんよ。
実習の準備は何かと大変ですから、少しでもお役に立てればと思います。
楽しい授業になるといいですね。頑張ってください!
ご返信ありがとうございます!
ご承諾ありがとうございます。
他の古典作品の漫画もとてもわかりやすくて、読んでいてとても楽しいです!
良い授業となるよう頑張ります。ありがとうございました!
みさこ
先日『あだし野の露消ゆるときなく』を学習し、ぜひ柴田さんの漫画が見たい!と思いリクエストのコメントをさせていただきました。
ご検討よろしくお願いいたします!
古典に興味を持ち始めたと頼もしいコメント、さらにリクエストも、ありがとうございます!
なるべく早くお応えしたいと思いますが、今、他の作品に取りかかっているところなので、ちょっとお待ちいただくことになりそうです。
すみません!待っててくださーいm(_ _)m
書籍4冊まとめて購入いたしましたので、大切に読ませていただきます😄
これからも応援しております!