〈本文〉
つれづれなるままに、日くらし硯(すずり)にむかひて、心にうつりゆくよしなし事(ごと)を、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。
〈juppo〉今までなぜこれを描いていなかったのか不思議なほど有名な、「徒然草」の最初の段です。短いからかなー。
あまりにも有名なので、1コマ目の吉田兼好さんも、有名なあのお姿に寄せずにいられませんでした。
「つれづれなるままに」は、「することがなくて退屈なので」などと訳されていることも多いと思いますが、寂しい気持ちも入っているようです。「ぼんやりと」にしたのは私の心境がここ数ヶ月「ぼんやり」だったからなんですけどね。
最後の「あやしうこそものぐるほしけれ」は、まず係り結びですね。そして訳としてはそのまま「もの狂おしい」でもいいですし、何しろ「正気を失った」状態のようですね。単にざわざわするとか、ワクワクした気持ちなのではとも思いましたがこうなってしまいました。そんなにおかしくなっちゃうの?と訝しい気もいたしますが、そういう意味のようなので。
「徒然草」はおひとり様生活の指針となる書であるとか、最近注目されている噂を聞いて、そういうネタの段を探して描こうと思っていた矢先にこのリクエストをいただきました。描いてみるとこの序段から、ひとり寂しくあれこれ思い出しているところなんですね。歳をとって、ひとり思い巡らす思索の数々・・がここから綴られていくのですね。
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ちなみに、大和物語の鳥飼の員をお願いしたいです。ぜひよろしくお願いします。
コメントありがとうございます。本を手にしていただいて、気に入っていただけて、こんなに嬉しいことはありません。
リクエストも、ありがとうございます。少しお待ちいただくことになりますが、作品にしたいと思います。お待ちくださいね。
お子さまの得意科目に古文も加われるよう、私も頑張ります。