2021年06月26日

桃花源記B

続きです。今月中に、完結しますよ。
〈本文〉
具答之、便要還家、爲設酒殺雞作食。村中聞有此人、咸來問訊。自云、先世避秦時亂、率妻子邑人來此絶境、不復出焉、遂與外人間隔。問今是何世、乃不知有漢、無論魏晉。此人一一爲具言所聞、皆歎惋。餘人各復延至其家、皆出酒食。停數日、辭去。
〈書き下し文〉
具(つぶ)さにこれに答れば、便(すなは)ち要(むか)へて家(いへ)に還(かへ)り、爲(ため)に酒を設(まう)け雞(とり)を殺して食を作る。村中(そんちゅう)この人あるを聞き、咸(み)な來たりて問訊(もんじん)す。自(みづか)ら云(い)ふ、先世(せんせい)秦時(しんじ)の亂(らん)を避(さ)け、妻子邑人(いふじん)を率ゐてこの絶境(ぜつきやう)に來たり、復(ま)た焉(ここ)より出(い)でず、遂(つひ)に外人(ぐわいじん)と間隔(かんかく)すと。今は是(こ)れ何(いづ)れの世なるかと問ひ、乃(すなは)ち漢(かん)あるを知らず、魏晉(ぎしん)は論ずるなし。この人一一(いちいち)爲(ため)に具(つぶ)さに聞く所を言へば、皆歎惋’(たんわん)す。餘人(よじん)各(おの)おの復(ま)た延(まね)きてその家に至(いた)らしめ、皆(み)な酒食(しゆしよく)を出だす。停(とど)まること數日(すうじつ)にして、辭(じ)し去る。
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〈juppo〉↑の本文、書き下し文はタイプしていますが、読めないやら探せない字やらがあって難儀しています。旧字体なんだけどフォントになくて新字体になっているものもあります。「間隔」の「間」は門構えの中がホントは「月」なんですけど、そんな字はついに見つかりませんでした。探し方が甘いのかもしれませんけれども。

 前回、どうやら好意的だとわかったこの村の人たちに、漁師の人は歓待を受けています。おとぎ話にはありがちな展開です。
「先世」は「前世」みたいですけど、先祖のことなんですね。秦の国は紀元前221〜206年に成立していて、この漁師の人の晋の国は265〜420年にあったそうなので、だいたい500年前にここの人たちの先祖はここにやってきた、ということなんです。その間にあった漢の時代も知らないし、その後のことは言うまでもない、なんですね。「魏晋」は「魏」と「晋」の時代、てことです。
 例えば戦国時代の村の人たちが、戦の世に飽き飽きしてどこか穴の中の世界に隠れて住み続けていたとしたら、今もその頃の営みのまま暮らしている・・・というようなことでしょうか。500年もあったらそれなりに進化してるんじゃないかな〜とも思いますが、何かと進化には争いが不可欠だったりしますから、平和なまま生き続けたら案外それほど環境に変化はもたらされないのかもしれません。

こんな映画を思い出しました。


おとぎ話にありがちなように、訪問者はそのままそこに居つくことはせず、住み慣れた現世に帰ることにします。それから?な最終回は、今月中に。
posted by juppo at 00:18| Comment(0) | 漢文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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