2023年06月19日

鴻門の会C

続きです。早くも第4回、というほど早くないですね。恐縮です。
〈本文〉
交戟之衛士欲止不内。樊噲側其盾以撞、衛士仆地。噲遂入、披帷西嚮立、瞋目視項王。頭髪上指、目眥尽裂。項王按剣而跽曰、「客何為者。」張良曰、「沛公之参乗樊噲者也。」項王曰、「壮士。賜之卮酒。」則与斗卮酒。噲拝謝、起、立而飲之。項王曰、「賜之彘肩。」則与一生彘肩。
〈書き下し文〉
交戟(かうげき)の衛士(ゑいし)止(とど)めて内(い)れざらんと欲す。樊噲其(そ)の盾を側(そばだ)てて、以て衛士を撞(つ)きて地に仆(たふ)す。噲遂に入り、帷(ゐ)を披(ひら)きて西嚮(せいきやう)して立ち、目を瞋(いか)らせて項王を視(み)る。頭髪上指(じやうし)し、目眥(もくし)尽(ことごと)く裂(さ)く。項王剣を按(あん)じて跽(き)して曰はく、「客(かく)何(なん)為(す)る者ぞ。」と。張良曰はく、「沛公の参乗樊噲といふ者なり。」と。項王曰はく、「壮士なり。之(これ)に卮酒(ししゆ)を賜(たま)へ。」と。則ち斗卮酒(とししゆ)を与ふ。噲拝謝(はいしや)して起(た)ち、立ちながらにして之を飲む。項王曰はく、「之に彘肩(ていけん)を賜へ。」と。則ち一(いつ)の生(せい)彘肩を与ふ。
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〈juppo〉暑いです。喉が乾く前に水分補給しましょう。
 前回ちょこっとお知らせしたように、今回から樊噲さんの活躍回です。画像検索したらこんな風な頭巾を被った肖像が出てきたのでこういうキャラにしましたが、そのため頭髪が逆立ってる様子になりませんでしたことをお断りしておきます。

 「壮士」とは勇ましく元気のよい男性のことで、訳によっては項王のセリフは「漢である」とか「豪傑だ」となっているようです。男の中の男であるな、というなかなかジェンダーな言葉ですね。
項王は樊噲の、急に入ってきた様子を見ただけで、そう判断して酒だの肉だの与えています。
 斗卮酒は一斗の酒のことで、一斗は約18リットルです。一斗缶の一斗です。一斗缶は昔のお笑いの人が誰かを攻撃するのに使った武器です。今でも使っているのでしょうか。

 「仆」「按」「跽」の字にはそれぞれ「倒れる、転ぶ」「手で押さえる」「上半身をまっすぐ伸ばしてひざまずく」の意味があります。「彘」の字はブタを表しているんですって。豚の肩肉は運動量が多く、筋肉が締まっている部位のことですね。

 ボスと生死を共にするのだ、と意気込んで介入してきたと思ったら、大酒に肉にとおもてなしの嵐を受けている樊噲さんですが、これはそのまま歓待なのか、試されているのか、あまり意味がないのか、多分樊噲さんの人となりを紹介するためのエピソードな気がします。

 次回も樊噲さんの活躍が続きます。
posted by juppo at 00:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 漢文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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