2023年06月30日

鴻門の会D

暑いです。続きです。
〈本文〉
樊噲覆其盾於地、加彘肩上、抜剣切而啗之。項王曰、「壮士。能復飲乎。」樊噲曰、「臣死且不避、卮酒安足辞。夫秦王有虎狼之心。殺人如不能擧、刑人如恐不勝。天下皆叛之。懐王与諸将約曰、『先破秦入咸陽者王之。』今沛公先破秦入咸陽、毫毛不敢有所近。封閉宮室、還軍覇上、以待大王来。
〈書き下し文〉
樊噲(はんかい)其(そ)の盾(たて)を地に覆(ふ)せ、彘肩(ていけん)を上に加(くは)え、剣を抜き、切りて之(これ)を啗(くら)ふ。項王曰はく、「壮士なり。能(よ)く復(ま)た飲むか。」と。樊噲曰はく、「臣(しん)死すら且(か)つ避(さ)けず、卮酒(ししゆ)安(いづ)くんぞ辞(じ)するに足らんや。夫(そ)れ秦王(しんわう)虎狼(こらう)の心有り。人を殺すこと擧(あ)ぐる能(あた)はざるがごとく、人を刑(けい)すること勝(た)へざるを恐(おそ)るるがごとし。天下皆之(これ)に叛(そむ)く。懐王(くわいわう)諸将(しよしやう)と約して曰はく、『先(ま)づ秦を破りて咸陽(かんやう)に入る者は、之(これ)に王(わう)たらしめん。』と。今、沛公先づ秦を破りて咸陽に入り、毫毛(がうまう)も敢へて近くる所有らず。宮室(きゆうしつ)を封閉(ふうへい)し、還(かへ)りて覇上(はじやう)に軍し、以(もつ)て大王の来(きた)るを待てり。
komon5.jpeg
〈juppo〉今まで秘密にしていましたが、ということはないんですけどお伝えしていませんでした。
この「鴻門の会」は全部で10回分あります。実はまだ全部仕上がっていません。1枚描いては更新し・・というほどではないのですが、モタモタやっております。

 さて前回一斗の酒を一気飲みした樊噲さん、今回はブタの肩肉をガツガツ召し上がってます。焼肉なら美味しそうですが、生肉なんですよね。豚の生肉は危ないですよね。なぜ危ないかは、調べてくださいね。
 樊噲さんは壮士だそうですから、一気飲みもブタの生肉も平気なのでしょう。我が身を振り返ってみて「壮士だな」という自覚のある方でも、一気飲みやブタの生食はしないよう、ご注意ください。

 飲んで食べて、さらに気持ちよく演説を始めています。ほぼ「ここまでのあらすじ」的な内容で、大変助かる演説ですが、一人の人物がずーっと喋っている場面ほど、絵にするのに苦労するシチュエーションはありません。幸い、語りの中に他の人物も出てくるので、その人らも描き込んでおきました。
 要するに、沛公は悪くないということを項王に納得してもらいたい一心で、酒を飲み生肉を食べて見せた樊噲さんなのです。

 その演説はまだ続きます。多分来月。といってもすぐに。できれば。
posted by juppo at 00:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 漢文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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