2023年08月20日

鴻門の会G

早や立秋を過ぎ、日も短くなってきましたね。それにしては暑い。続きです。
〈本文〉
当是時、項王軍在鴻門下、沛公軍在覇上、相去四十里。沛公則置車騎、脱身独騎、与樊噲、夏侯嬰、靳疆、紀信等四人持剣盾歩走、従酈山下、道芷陽間行。沛公謂張良曰、「従此道至吾軍、不過二十里耳。度我至軍中、公乃入。」
 沛公已去、間至軍中、張良入謝、曰、「沛公不勝桮杓、不能辞。謹使臣良白一双、再拝献大王足下、玉斗一双、再拝奉大将軍足下。」
〈書き下し文〉
是(こ)の時に当たり、、項王の軍は鴻門の下(もと)に在(あ)り、沛公の軍は覇上(はじやう)に在り、相(あひ)去ること四十里(しじふり)なり。沛公則(すなは)ち車騎(しやき)を置き、身を脱して独(ひと)り騎(き)し、樊噲、夏侯嬰(かこうえい)、靳疆(きんきやう)、紀信(きしん)等四人の剣盾(けんじゆん)を持(ぢ)して歩走(ほそう)するものと、酈山(りざん)の下(もと)より、芷陽(しやう)に道して間行(かんかう)せんとす。沛公張良に謂(い)ひて曰はく、「此(こ)の道より吾(わ)が軍に至る、二十里(にじふり)に過ぎざるのみ。我(われ)の軍中に至るを度(はか)り、公(こう)乃(すなは)ち入(い)れ。」と。
 沛公已(すで)に去り、間(ひそ)かに軍中に至る。張良入理、謝(しや)して曰はく、「沛公桮杓(はいしやく)に勝(た)へず、辞(じ)する能(あた)はず。謹(つつし)みて臣(しん)良をして白壁一双(いつさう)を奉(ほう)じ、再拝(さいはい)して大王の足下(そつか)に献じ、玉斗一双をば、再拝して大将軍(だいしやうぐん)の足下に奉ぜしむ。」と。
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〈juppo〉今年の夏休みは、ただ暑かっただけで終わってしまわないですか皆さん。私は学生時代、新学期になると「制服が暑い」「ソックスが暑い」と薄着で過ごした夏休みの日々を懐かしんだものですが、こんな気候変動の行く末を思うと、いずれ夏の間はTシャツ短パンにビーサンで通う学校生活になったりしないでしょうか。いや、そうまでして通学しないですよね。リモートですよね。

 前回、鴻門を出た沛公さんはまだ去ってませんでした。今回いよいよ馬に乗って自軍に引き返します。樊噲以下四人の部下が随行します。3コマ目、「剣盾を持して歩走」とあるのでその四人の方には馬に乗らず走っていただきました。抜け道を通って約8qだったら駅伝1区の半分くらいですから、走れる距離ですね。馬についていくのは大変だと思いますが。そのメンバーの他に誰か一緒だったか不明ですが、あと二人ついでに走っています。そのくらいはいてもいいかな、と。
 4コマ目は話が前後しています。張良は鴻門に残っていますので。そう伝えてきたんです、という回想シーンですね。この後、張良が言われた通りの役割を演じるので、ここでその会話の内容が挟まれているんですね。

 覇上とは現在の陝西省(せんせいしょう)西安近郊の河川、覇水の周辺の地名、とかいうことです。何しろ地名です。
四十里、二十里の里はここでは1里=400メートルなんだそうですよ。驪山は陝西省にある秦嶺山脈の山だそうです。「しんれいさんみゃく」で変換できますが、心霊山脈になりがちかもしれません。芷陽は清の時代のこの辺の県の名前のようです。

 そんなわけでついに沛公さんが退場してしまいましたが、まだ出てきます。ちょっとだけ。残りあと2回です。なるべくお待たせせず更新したいです。

posted by juppo at 23:42| Comment(4) | TrackBack(0) | 漢文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんは!夜遅くにすみません。コメント失礼します
実は、一つ気になっている説話があるのですが、ご存知でしたらタイトルだけでも教えていただきたいです。塾で部分だけ知って続きが気になっています。
宇治拾遺物語にある話です。渡辺(大阪の地名)に古くから建っているお堂の屋根の修理をしようとしたら、生きている蛇が釘で打ち付けられていた!ざっくりいうとこんな内容でした。
Posted by ドングリ at 2023年08月24日 00:38
ドングリさま
我が家にある「宇治拾遺物語」の文庫本にざっと目を通してみましたが、お尋ねの内容の話は見つけられませんでした。
蛇(くちなわ)が出てくる話はいくつかあったんですけどね〜。女と蛇とか、お相撲さんと蛇とか。
見落としがあったかもしれませんし、他の作品かもしれません。いつか見つけたら、漫画にしたいお話ですね。お約束はできませんけれども。
お役に立てず、すみません!
Posted by 柴田 at 2023年08月24日 19:35
わざわざ探していただいてありがとうございます。
塾のテキストには確かに「宇治拾遺物語」と書いているのですが、学校の先生に確認してもらうと「古今著聞集」巻第二十に収録されていることが分かりました。
題名は「渡辺の薬師堂にて」とのことです。
話は変わりますが「宇治拾遺物語」の文庫本持ってるなんてうらやましいです。(≧∇≦)ノ古典の文庫本は中学生のお財布には荷が重いので、、。誕生日に枕草子は買ってもらえたけどやっぱり読みやすいのは説話系だからなあ。
Posted by ドングリ at 2023年08月25日 22:11
ドングリさま
古今著聞集でしたか!
解決して良かったです!
我が家にあった「宇治拾遺物語」は角川文庫ソフィアの一冊でした。確かに
読みやすくてオススメです。そして確かに文庫も今時は高いですよね〜。
古本屋とかフリマサイトで安く買えたら良いのですけど。あるいは図書館で…とか。
たくさん古文に触れていらっしゃるご様子、尊敬します。私が中学生のころは、全く興味なかったです(^_^;)
Posted by 柴田 at 2023年08月25日 23:56
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