〈本文〉
居数日、項羽引兵西、屠咸陽、殺秦降王子嬰、焼秦宮室。火三月不滅。収其貨宝、婦女而東。
〈書き下し文〉
居(を)ること数日、項羽(かうう)兵を引きて西し、咸陽(かんやう)を屠(ほふ)り、秦の降王(かうわう)子嬰(しえい)を殺し、秦の宮室(きゆうしつ)を焼く。火三月(さんげつ)滅せず。其(そ)の貨宝(くわほう)、婦女を収めて東す。

〈juppo〉最終回がたったの4コマですみません。しかもここだけ後日談です。鴻門でも会でもないし、この部分はネット上の学習サイトでも切られていたりして、白文を探してYahoo!知恵袋まで行ってしまいました。質問したわけではありません。
項王は「鴻門の会」の前にも酷いことをしていたようですが、その後でも酷いことをし続けてますね。
沛公さん(劉邦)は秦の王になった子嬰を殺さず、人民にもゆるいルールを約束していたのに、項王(項羽)はことごとくそれらを勝手に反故にして、やりたい放題です。手に入れるものを手に入れて、ほくほく顔で終わります。天下を取った心境でしょうね。
この時、紀元前206年です。項羽は紀元前202年、劉邦は紀元前195年まで生きたようです。と、いうことは、項羽の命はあと4年ですね。わが世の春は短い運命のようです。ああ〜、そういえば「項王の最期」は以前描きました。ラス前の「四面楚歌」も描いてます。ついでに興味を覚えた方は参照してください。
自分でも忘れているほど、いろいろ描いてきたものだなぁと思いますが、まだまだ古文、漢文の作品はいくらでもありますよね。汲めども尽きない古典の泉。その中でどれほどの作品を漫画にできるのでしょう。気が遠くなりますね。
準備から時間をかけて、異例に暑すぎる夏の間もずっと、紀元前の中国を旅していたようなこの作品とも今日でお別れです。続きとか、その前とか、またリクエストいただいたら描きます。
でも次回は多分、「大鏡」です。