2023年10月29日

道真左遷@

10月になりました、と書こうと思っていましたが、もうすぐ11月です。リクエストにお応えします。「大鏡」です。
〈本文〉
 この大臣(おとど)は、基経(もとつね)のおとどの太郎なり。御母、四品弾正尹人康(しほんだんじやうのゐんさねやす)の親王(みこ)の御女(むすめ)なり。醍醐の帝の御時、この大臣、左大臣の位にて年いと若くておはします。菅原のおとど、右大臣の位にておはします。その折、帝御年いと若くおはします。左右(さう)の大臣に世の政(まつりごと)を行ふべきよし宣旨(せんじ)下さしめたまへりしに、その折、左大臣、御年二十八九ばかりなり。右大臣の御年五十七八にやおはしましけむ。ともに世の政をせしめたまひしあひだ、右大臣は才(ざえ)世にすぐれめでたくおはしまし、御心おきても、ことのほかにかしこくおはします。左大臣は御年も若く、才もことのほかに劣りたまへるにより、右大臣の御覚えことのほかにおはしましたるに、左大臣やすからず思(おぼ)したるほどに、さるべきにやおはしけむ、右大臣の御ためによからぬこと出できて、昌泰(しやうたい)四年正月二十五日、大宰権帥(だざいのごんのそち)になしたてまつりて、流されたまふ。
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〈juppo〉「大鏡」は道長のカッコイイ話で出来ていると思っていましたが、今回は道真です。菅原道真といえば学問の神様で、太宰府天満宮や菅原神社に祀られている方ですね。さらに、「天神様の細道じゃ」の天神様のことでもあるんですね。今回いろいろ調べている中で今さら知りました。余談ですが私は七五三のお祝いを菅原神社でしました。
 
 いろいろ調べていると、道真さんちはお父さんもお祖父さんも、その上の代までさかのぼっても代々頭が良くて学者身分だったらしいです。伊達に学問の神にはならないようです。左大臣は若いからどころでなく到底並べるレベルではなかったのでは。

 その道真さんが、大臣の位から転落して左遷されて筑紫に流されるお話です。
転落の顛末「よからぬこと」というのは、宇多上皇と醍醐天皇からの信任で政治を丸ごと任されそうになった道真がこれを断ったのを左大臣時平が妬んで、他の何名かと共謀して「道真は自分の娘婿を親王に立てようとして帝位を狙っている!」とでっち上げたのだそうです。要するに、ハメられたんですねー悲劇ですねー。

 初回ですでに貶められて、左遷が決まった道真さんです。どこまで描けば良いかわからないまま、8回分くらい用意しましたので、左遷されてからの生活も次回からお届けします。

 あ、そうそう1コマ目で語り始めたお爺さんは大宅世継という、「大鏡」の語り部です。「雲林院の菩提講」で登場してるんですけど、自分で描いたキャラがうろ覚えなので今回も過去の記事を見直しながら描きました。
 
posted by juppo at 23:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 大鏡 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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