寄り道です。『枕草子』ですが、今ごろこれ?です。
〈本文〉
春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山ぎは、すこしあかりて、紫だちたる雲のほそくたなびきたる。
夏は夜。月のころはさらなり、闇もなほ、蛍の多く飛びちがひたる。また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くもをかし。雨など降るもをかし。
秋は夕暮れ。夕日のさして山の端いと近うなりたるに、烏の寝どころへ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど、飛びいそぐさへあはれなり。
〈juppo〉このブログを始めた頃だったか始める前だったか、この「春はあけぼの」の下描きを途中まで描いて、めんどくさくなって仕上げるのをやめてしまったのは覚えています。その後、数々の『枕草子』作品を漫画化しているうちに、当然これもブログにupしている気に、勝手になっていました。していませんでした。
この春私は、ひょんなことから光村図書の小学校国語教科書五年「銀河」を入手しました。その、小学校の教科書に、「春はあけぼの」が載ってるではありませんか。もちろん口語訳付きなんですけど、他にも『方丈記』や『徒然草』も載ってるのです。なるほど、小学生から古文に親しんでもらおう、ということなのですね。
それでふと、「春はあけぼの」といえばブログに載せたよなぁ、と思って探したら、なかったんです。描いてないんですから。
そんなわけで急遽、源氏物語ダイジェストを中座して、これを描いたというわけです。描いてなかったからです。
有名な『枕草子』の冒頭ですから、いちいち漫画にしなくても皆さん内容はお分かりでしょう、という気持ちもどこかにありました。内容とは要するに、四季それぞれの、ココが良い!という時間帯や情景を並べているのです。ここでは「山ぎは」と「山の端」の違いに注意!というくらいで、さほど難しい点はありません。
秋冬に比べて春夏は短くて、もう秋の途中まで来て「続く」ですが、後半も同じ6コマです。
続きは近日中に。「末摘花」はそれからまとめます。
2024年05月06日
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