〈本文〉
「ゆるぎの森にひとりは寝じ。」と争ふらむ、をかし。水鳥、鴛鴦(おし)いとあはれなり。かたみにいかはりて、羽の上の霜は払ふらむほどなど。千鳥いとをかし。
鶯(うぐいす)は文(ふみ)などにもめでたきものに作り、声よりはじめて、さま・かたちもさばかりあてにうつくしきほどよりは、九重(ここのえ)のうちに鳴かぬぞいとわろき。人の「さなむある。」と言ひしを、「さしもあらじ。」と思ひしに、十年(ととせ)ばかりさぶらひて聞きしに、まことにさらに音せざりき。さるは、竹近き紅梅も、いとよく通ひぬべきたよりなりかし。

〈juppo〉夏休みが始まりましたね。今年もやっぱり、宿題がたくさん出ているのでしょうか、皆さん。
今回は鳥の種類がそんなに多くありません。
鷺が妻を奪い合うのがおもしろい、と言っていますが、そこの「ゆるぎの森」とは、琵琶湖西岸にある高島という地の歌枕で、
「万木の森」とか書くそうです。
オシドリは「おしどり夫婦」なんて言いますけど、それだけ仲むつまじい鳥なのですね。
最後にウグイスが宮中では鳴かない、という不思議に触れて終わっていますが、このエピソードが途中です。
そういう訳で、まだ続きます。
パソコンのキーボードの、「i」のキーが時々押せなくなりました。いや、押せるんですけど、押しても文字が打てないのです。今は打てていますが、この記事の〈本文〉を書いている時までは打てませんでした。
そういう時はどうするかというと、「き」や「し」などは「kyo」「sho」と打って「きょ」「しょ」と印字してから小さい「ょ」を消すのです。じゃあ肝心の「い」はどうするかというと、「ye」と打つと「いぇ」と出ますから、小さい「ぇ」を後で消します。
問題なのは英字で「i」を打つ時です。仕方がないのでそういう時は、いちいちどこかにある他の英文から「i」だけコピーして張り付けます。自分の姓が「shibata」であることを、これほど忌々しく思ったことはありません。
・・かなりめんどくさいです。
さっさと買い替えればいいのですが、なんでも工夫次第でどうにかなるもんだな、なんて都合の良い感慨に耽りつつ、また、今日も「i」のご機嫌を伺いつつ、今回の記事を書き終わろうかとしているところです。
いつまで持つでしょうか。