2024年03月29日

源氏物語ダイジェスト9夕顔B

「夕顔」最終回です。
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〈juppo〉人が一人亡くなるのは大ごとです。それを秘密にしておかなければならないのはさらに重大事ですね。おぼっちゃま育ちの光源氏は体調を崩してしまったようです。短く終わった恋の思い出は尽きないようで、もっとああすればこうすればと後悔に苛まれるのも、お約束です。
 そんな中でも頭中将にはどう対応しようかという点は冷静に判断していますね。こと女性のこととなると、考えが高速で駆け巡るのが光源氏です。モテ男に必須な才能と言えるでしょう。
 夕顔に小さい娘がいると知って、その子を手元に置きたい、と咄嗟に反応しているのもまた、生まれ持った才能、いや本能ですね。
 
 前回さらっと登場した伊予介(いよのすけ)は、「帚木」で説明だけしてありましたが、空蟬の旦那です。伊予の国(愛媛県)のお役人です。国に帰ったということは、伊予の国に行ってしまったということで、空蟬も連れて行ってしまったので、空蟬は光源氏にとって片想いで終わった女性なんですね。
 奥さんもいてあちこちの女に手を出して、ルンルンだった光源氏の「青春の蹉跌」です。

 次回は「若紫」です。ああ、てことはもうあの人を見つけて恋に落ちる光源氏なのだな、と思われる方も多いかと。そう思わない方も、そういう物語です。

 昨年の秋から塾の先生に復帰した私は、春期講習に通う日々です。春休みにまで勉強する生徒の皆さんには頭が下がります。私も頑張ります。
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2024年03月27日

源氏物語ダイジェスト8夕顔A

はい、畳み掛けるように更新します。続きです。
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〈juppo〉光源氏の乳兄弟・惟光くんは調査員としても優秀でありつつ段取りも整えてくれる良いマネージャーです。つつ、自分もちゃっかり夕顔宅の女房か誰かの元に通っているんです。そりゃー内情に詳しくもなるというもの。

 その夕顔さんですが、登場した途端にお亡くなりになります。ダイジェストにすると1ページだけの登場です。短い。
 死因が不明です。寂しいと死んじゃうウサギ並みに、雰囲気で死んだような感じですよね。夢に出てきた、夕顔を捕まえようとしていた美女にとり殺された、という解釈が正解でしょうか。この、夢の女性はあの六条御息所の生霊?という解釈が多いらしいのですが、そうでもないとか、はっきりしません。はっきり書いてないですからね。
 短い間に、光源氏は夕顔にぞっこんになったらしいのですが、それで盛り上がったせいなのか、なぜか急にどこか違う家に行って夜を明かしたり、身分をとことん隠して楽しんだりと、そんなことがロマンチックな17歳、なんですかね。
 しかし最悪な事態に至ってみると、ロマンチックな演出は裏目に出ます。人に知られたらどうしようなんて、急に現実的に冷静に考えているのがやけに常識人的です。こういうことって、ないようであると思います。

 なんだか大変なことになってきたところで、以下次号。
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2024年03月25日

源氏物語ダイジェスト7夕顔@

大変ご無沙汰いたしました。続きです。
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〈juppo〉前回の「空蟬」から2ヶ月も空いてしまいました。「夕顔」は3回でお届けします。もう全部描いたので、畳み掛けるように更新します。

 お話は「空蟬」から続いていて、光源氏はまだ17歳です。このころから六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ)と付き合っています。長い付き合いになるのですが、いまいち陰が薄いのですね。そのせいで後々、ああなったりこうなったりな活躍(?)につながっていくのかと。

 タイトルの「夕顔」はこの章で中心となる女性のことですが、家の前に夕顔が咲いていて、その後彼女が歌にも詠んだことから呼び名になっています。その歌については紹介しません。

 惟光(これみつ)も初登場です。光源氏の乳母の息子です。随身としてあちこちお供するのみならず、光源氏の女性問題のために、骨身を惜しまず貢献します。まずは気になった女の素性を調べることから。その過程で、夕顔が「帚木」で頭中将が語っていた「ほっといたら消えた」女と同一人物らしいぞ、ということが発覚するんですね。世間は狭いです。このことも後々、いろいろな問題になって浮上し続けます。とりあえず、誰かの元カノだからと手を出すのを躊躇する光源氏では、ないというお話です。
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2024年02月12日

源氏物語ダイジェスト6空蟬

先週は関東地方にも大雪警報が出たと思ったら、今週中に夏日のような陽気になるとか。三寒四温にもほどがある2月です。今回は「空蟬」です。
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〈juppo〉前回登場した空蟬との関係が発展するかに見えて、傍にいた別の女と発展してしまったという話です。その軒端荻(のきばのおぎ)は、空蟬からすると結婚した男の娘ですが、歳は同じくらいらしく、一緒に碁なんて売ってるところを見るとなさぬ仲ながら関係は良好なんでしょう。
碁は空蟬が勝ちました。「セキ」とは囲碁用語なんですね。そこに打つと自分の石も取られてしまうという、手詰まりの場所を指すようです。私には囲碁の知識は皆無ですが、平安時代の女性たちも用いていた用語のようです。

 空蟬は光源氏を想って悶々としながらも、いざ近くに来るとやっぱり逃げ出してしまいます。その時置き去りにした小袿(こうちき)を、光源氏は後生大事に持ち帰って、描いてないですが抱きしめて寝たりしています。小袿は十二単の上の方に着る着物で、普通の袿(うちき)より丈が短いものです。空蟬って、要するにセミの抜け殻のことですよね。この小袿を、抜け殻ですねと光源氏が詠んだことから彼女を空蟬と呼ぶのでした。
 一方、うっかり事故みたいに関係を結んでしまった軒端荻も、出番はこれだけではないようです。

 「空蟬」は短くて今回だけで終了です。次回から「夕顔」です。
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2024年02月05日

源氏物語ダイジェスト5帚木B

「帚木」の続きです。雨夜の品定めは終了しています。
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〈juppo〉帚木(ははきぎ)は女性の名前ではないんです。何のことだろうと思っていた謎が今回解けました。もともと信濃国の伝説の森にあった木だそうで、梢が箒(ほうき)のようになっていて遠くからは見えるのに近くに来ると見えなくなるんですって。近くに寄れば寄るほど避けられてしまう空蟬(うつせみ)がその帚木のようだと、歌に詠む光源氏だったのですね。ダイジェストなのでいちいち歌を紹介する気はさらさらないんですけど、今回はタイトル回収のために挿入しました。

 冒頭、方角が悪いのでよその家にわざわざ行ったのは、いわゆる方違え(かたたがえ)というもので、陰陽道によって神様のいる場所を示されたら、その方向にいてはいけないとか、そっちを通ってはいけないとか、いろいろ禁忌な事態が生じるらしいです。いつもいる宮中からなら大丈夫な方角だったのが、今日は左大臣家にいるのでこの方角を避けねばならない、とたまたま良い方角に住んでいた紀伊守(きのかみ)の家に突然お邪魔したのです。その家にたまたま女や子供が集まっていて、その中にいた空蟬に当然のようにアタックする光源氏です。光源氏って女に近づくために奇策を講じがちなんですけど、今回は女の弟の声真似をして油断させて会話を成り立たせています。いきなり器用さを披露している場面ですね。
 ところが空蟬には断固として拒否されます。本心は光源氏に惹かれないでもないようですが、親の後ろ盾もない、しかも夫がいる今の自分には叶わぬ夢、と諦めている節もあります。

 まだ始まったばかりの女性遍歴の端緒で、青春の蹉跌を味わい、とりあえず弟の小君で満足する光源氏17歳、でありました。
次回は「空蟬」をお届けします。ということは、この空蟬が引き続きお目当ての女です。この章の続き、と言えないこともないです。
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2024年01月29日

源氏物語ダイジェスト4帚木A

寒いです。続きです。
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〈juppo〉男どもの与太話は続きます。どいつもこいつも、身勝手極まりない経験だらけ、な感じですよね。女の品を定める話だったと思っていたら、こぞって女を放っておいた話ですよ。通い婚の時代であり、セカンドの女の扱いに過ぎないとはいえ、そんな話をさらっとしているあたりにも、この時代の男女格差を見せつけられている思いです。
 今回、光源氏は話に加わっていないので、最後のコマにしか登場してません。ここで聞いた話がきっかけでこの後光源氏も経験を重ねていくことになるのですけどね。

 式部丞の女の話で、「カゼでにんにく」と言っているのは、風邪薬としてにんにくを食べているのですね。以前描いた「持経者叡実効験の事」と同じシチュエーションです。にんにくはカゼに効くけれど、恋愛にはNGだというのは現代でも同じですね。

 そんな、長々続いた恋愛話はやっとここで終了ですが、「帚木」はもう少し残っています。雨も上がってお出かけする光源氏、のようです。
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2024年01月22日

源氏物語ダイジェスト3帚木@

1月もあと10日です。恵方巻きは今年はいつ食べれば良いでしょうか。
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〈juppo〉帚木は長いです。長さの原因はこの、雨夜の品定めです。ヒマな貴族の男子会で、ずーーーっと女の話をしています。読んでいるのが苦痛です。ちゃんと読んではいないですが。しかしながら、ここで女の品定めを聞いた経験が、その後の光源氏の女性遍歴にも影響してくるとかしないとか、なんですよね。
 これを女性である紫式部が書いたというのは、興味深いです。こんな話を延々している男たちを観察したことがあったのでしょうか。当時の、男が女を選ぶ基準を分析して書いたのでしょうか。聞いてみたいですね、本人に。
 ここでは光源氏は自分の経験を語るとか、好みを言うとかはしていません。男どもの話を聞いてないようでしっかり聞いているようです。
 左馬頭(さまのかみ)と籐式部丞(とうしきぶのじょう)は突然登場して一体誰?な感じですが、このシーンにしか登場しないようなので、あまり気にしないでください。

 長くてどうなることかと思った帚木ですが、今回で半分近く消費しました。後半はまだまとめていません。結構、自転車操業です。
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2024年01月15日

源氏物語ダイジェスト2 桐壺A

無事に2回目をお届けできて何よりです。
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〈juppo〉ダイジェストなので、2回目で早くも嫁をもらった光源氏です。葵上(あおいのうえ)です。この人のお兄さんが、この後光源氏の永遠のライバルとして登場する頭中将です。そして頭中将の奥さんの四の君は、桐壺帝の本妻・弘徽殿の女御の妹なんですね。
しかしながら光源氏は葵上と結ばれる前に、父親の新しい妻・藤壷更衣に心を奪われてしまったので、葵上は割とほったらかしです。葵上の方でも、娘盛りに4歳も年下の少年を押し付けられて(?)それほど愛は育っていません。今のところ。
 ムコ殿のために屋敷に手を入れ豪華にしつらえる左大臣の心遣いもむなしく、想いはまったく藤壷にしか向いていない主人公です。

「臣籍降下」とは、天皇の子供でも母親の身分が低い子などを臣下に降ろすことだそうです。これによってその子は皇族でありながら皇族でない、でも皇室の出だから身分は高い、というようなあくまでもやんごとない身分になるようです。微妙です。

 そんなところで「桐壺」はサクッと終了です。次回から「帚木」に入ります。今まとめている途中なんですけど、どこまでダイジェストにするか、気がつくとあれもこれも描いてしまいそうになるのを苦心して飛ばしています。どの程度大ざっぱな仕上がりになるか、どうぞお楽しみに。
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2024年01月08日

源氏物語ダイジェスト1桐壺@

北陸に想いを寄せつつ、今年もよろしくお願いします。新企画です。
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〈juppo〉けん玉は残念だったんですね。そんなことより、今回からこの、「源氏物語ダイジェスト」をお送りします。とにかく長くてなかなか全部は読めない「源氏物語」をサクッと読んで「こんな話か」と思っていただこうという趣向です。このブログの趣旨に適っている企画と言えないこともありません。実は、去年しくじった仕事をここで取り返そうという腹づもりです。何の仕事だったかは、しくじったので言いません。大河ドラマに追随しているようですが、たまたまですよ。
 ダイジェストなので、本文はナシです。いつものように直訳でもありません。あらすじだけ追っています。登場人物がたくさん出てきますが、多分みんな同じ顔です。

 今日までにこの1ページを描いただけなので、今後どの程度順調に描き続けられるか自分でもわかっていません。頑張って続けます。
 そんな中でもリクエストをいただけば、他の古文も作品化しますので、どうぞお寄せください。

 今気づきましたが、本文に忠実に描いたものでないと、ここで書くこともあまりありませんね。語句ごとに説明すべきことなどがないので。だんだん説明もしていければなぁ、とぼんやり思っています。

 冬期講習は無事に役目を終えました。10年以上ぶりの現場は楽しかったです。
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2020年04月26日

若紫(北山のかいまみ)E

皆さんお元気ですか!私もマスクを作り始めました。「かいまみ」、ついに最終回です。
〈本文〉
「この世にののしりたまふ光る源氏、かかるついでに見たてまつりたまはんや。世を棄(す)てたる法師の心地にも、いみじう世の愁(うれ)へ忘れ、齢(よはひ)のぶる人の御ありさまなり。いで御消息(せうそこ)聞こえん」とて立つ音すれば、帰りたまひぬ。
 あはれなる人を見つるかな、かかれば、このすき者どもは、かかる歩(あり)きをのみして、よくさるまじき人をも見つくるなりけり、たまさかに立ち出づるだに、かく思ひの外(ほか)なることを見るよ、とをかしう思す。さても、いとうつくしかりつる児(ちご)かな、何人ならむ、かの人の御かはりに、明け暮れの慰めにも見ばや、と思ふ心深(ふか)うつきぬ。
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〈juppo〉前回、源氏の訪問を聞きつけた坊さんは今回、ミーハー気質満開で「見に行こうぜ!」と女性たちを誘っています。時々思うんですけど、古文に登場するお坊さんたちって、ノリがいいですよね。現代のお坊さんたちの中にも、ロックコンサートを開く方がいたり、ノリはそれぞれだと思いますが、およそ「僧侶」に連想される落ち着きはらった悟りの境地にいる人のイメージから遠い坊さんが古文にはよく出てくるなぁ、と思いませんか。

 源氏のことを「光る源氏」と呼んでいますが、変換ミスではありません。「光源氏」がフルネームなのではなく、「光」はもともと「光りかがやく君」と呼ばれたことからくる形容詞なんですよね。

 ノリノリな坊さんの呼びかけに応えて女性たちが自分を見に来るぞ、と察した源氏はとっとと退却してます。つつ、偶然見かけた美女を思い出して幸福感に浸っているようです。自分が「すき者」である自覚はあるようです。誰もが「すき者」である必要はないと思いますが、こうして嬉しいことをつくづく思い出して幸せな気持ちになれるというのは、大事なことですよね。日頃気分が沈む経験や腹立たしい出来事が頭の中を占めてしまうような時でも、大なり小なり幸せな記憶を呼び起こして自分を慰められたら、いいと思います。眠れない時も楽しいことを思い出すといい、と元SMAPのクサナギくんが言ってました。

 守備範囲の広さには定評のある光源氏ですが、祖母と孫である尼君と若紫両人とも射程内に納めています。若紫のことを、藤壺の代わりに、と考えていますが、父・桐壺帝の中宮、つまり奥さんである藤壺に想いを寄せる源氏は、このとき里に下がっているとかで会えないその人にちょっと似てる若紫に惹かれてしまったのですね。実は若紫の父親が藤壺の兄なんですって。若紫は藤壺の姪なんですね。似てるワケです。

 源氏が幼女の面影で胸をいっぱいにしたところで、この章はとりあえず終了です。続きとか、ここに至る前とか、描く機会があればまたいずれ。

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材料は古着や古布。
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マスクの備蓄はまだあるんです。最近あまり外出もしないので減らないし。単に作りたかったので作りました。こういう事態になると、不恰好なマスクでも恥ずかしくなく使えますしね。
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2020年04月19日

若紫(北山のかいまみ)D

日々、不安や不満や不便が募る一方ですが、できる限り穏やかに、健康的に過ごしたいですね。続きです。
〈本文〉
またゐたる大人、「げに」とうち泣きて、

 初草(はつくさ)の生ひゆく末(すゑ)も知らぬ間に
   いかでか露の消えんとすらむ

と聞こゆるほどに、僧都(そうづ)あなたより来て、「こなたはあらはにやはべらむ。今日(けふ)しも端(はし)におはしましけるかな。この上(かみ)の聖(ひじり)の方(かた)に、源氏の中将の、瘧病(わらはやみ)まじなひにものしたまひけるを、ただ今なむ聞きつけはべる。いみじう忍びたまひければ知りはべらで、ここにはべりながら御とぶらひにもまうでざりける」とのたまへば、「あないみじや。いとあやしきさまを人や見つらむ」とて簾(すだれ)おろしつ。
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〈juppo〉前回は出てきませんでしたが、この場面には尼君と若紫の他に何人か、大人や子どもがいたんです、そういえば。その中の一人が、前回尼君が詠んだ和歌に返歌をしています。
 そこへまた唐突に坊さんが登場します。この坊さんの言う「この上の聖」云々についても、以前描いています。 「瘧病」についてもそちらで説明しています。「おこり」とか「熱病」とか、今でいう「マラリア」などと解釈されます。源氏がその「おこり」の治療に行者に会いに行った、その帰りのエピソードだったんですね〜このシーンは。
 超お忍びで来たからこの坊さんは知らなかったと言いつつ、もう聞き及んでお知らせにあがった模様です。
 「人や見つらむ」と慌てて簾を下ろす尼君です。源氏が来てるということは、関係者もいて人の通りも多いかもしれない、ということを心配したのかな、と思います。源氏本人が覗いているとは恐らく、知る由もないかと。


 さて普段通りの活動ができない今、「おうちで〇〇」が盛んですね。動画などを見ながら運動したり踊ったり、皆さんもしていますか。
 私が師事するバレエの先生も、この度YouTuberデビューなさって動画の配信を始めましたのでご紹介します。ストレッチの参考になれば。

https://www.youtube.com/watch?v=hPhXIUW5qxc

https://www.youtube.com/watch?v=wVIwSmMolhs

私はこれでYouTubeもテレビ画面で視聴しています。
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2020年04月12日

若紫(北山のかいまみ)C

ずっと家にいると、寝る時間がどんどんずれてきますね。通販にハマったりしていませんか。私は危ういです。引き続き「源氏物語」です。
〈本文〉
 尼君、髪をかき撫(な)でつつ、「梳(けづ)ることをうるさがりたまへど、をかしの御髪(ぐし)や。いとはかなうものしたまふこそ、あはれにうしろめたけれ。かばかりになれば、いとかからぬ人もあるものを。故姫君は、十ばかりにて殿に後(おく)れたまひしほど、いみじうものは思ひ知りたまへりぞかし。ただ今おのれ見棄(みす)てたてまつらば、いかで世におはせむとすらむ」とていみじく泣くを見たまふも、すずろに悲し。幼心地(をさなごこち)にも、さすがにうちまもりて、伏し目になりてうつぶしたるに、こぼれかかりたる髪つやつやとめでたう見ゆ。

 生(お)ひ立たむありかも知らぬ若草を
   おくらす露ぞ消えんそらなき
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〈juppo〉前回までお届けした「明石の姫君の入内」にも登場した、紫の上の幼少時代のお話です。このころは「若紫」と呼ばれます。「わかむらさき」と読んでみると、なんだかご飯のお供を思い出します。それは「江戸むらさき」。
 タイトルがいきなりCなのは、以前Bまで描いたからです。スズメを逃がされて半泣きの若紫が初登場、というところまで描いて、詳しい訳が見つかったら続きを描くとかなんとかなまま、いつものように放置していました。

 最近、このブログを書籍化してくださっているKSTプロダクションの時岡さんが、漫画にする古文の原文を手配してくれるので、リクエストされて漫画化していない作品のリストを送って原文を入手したところ、そのリストに入れてないのにこの原文が送られてきたのです。「お描きやす」ということかな、と忖度して描きました。

 以前描いた前半で、若紫と尼君をつくづく覗き見る源氏は「この尼の子」だと判断していました。今回やんわり判明しますが、若紫は尼の孫のようです。「故姫君」が尼君の娘なんですね。

 最後の和歌、「ありか」とは若紫が成長したのちに嫁ぐ相手のことで、「若草」と「露」は縁語になってます。「若草」が若紫を、「露」が尼君自身のことを意味しているのですね。

 続きます。Eまであります。
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2020年03月29日

明石の姫君の入内E

コロナとともに回を重ねてきましたが、最終回です。
〈本文〉
 大臣(おとど)も、長からずのみ思さるる御世のこなたにと思しつる御参り、かひあるさまに見たてまつりなしたまひて、心からなれど、世に浮きたるやうにて見苦しかりつる宰相の君も、思ひなくめやすきさまに静まりたまひぬれば、御心落ちゐはてたまひて、今は本意(ほい)も遂げなんと思しなる。対の上の御ありさまの見棄(みす)てがたきにも、中宮おはしませば、おろかならぬ御心寄せなり。この御方にも、世に知られたる親ざまには、まづ思ひきこえたまふべければ、さりともと思しゆづりけり。夏の御方の、時々にはなやぎたまふまじきも、宰相のものしたまへばと、みなとりどりにうしろめたからず思しなりゆく。
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〈juppo〉最終回に来て急に、源氏は出家について考えに耽っています。この6回分だけ読むと急ですが、ここに来るまでにずっと考えていたことなんでしょう。なんでも父の帝が亡くなった頃から考えてたそうです。それがいつ頃のことか、この辺だけ読んでもわからないのが残念ではあります。

 出家の弊害になっているのは自分を取り巻く人々の行く末なんですね。その人たちがそれなりに良きところにおさまって心配ないことを見定めて、決心が固まったようです。
 その人たち、中宮とか夏の御方とか、これまた急に登場しますが気になる方はもう1度エピソード0の人物相関図でお確かめください。

 次回作はぼちぼち準備中です。しばしお待ちくださいね。


 ところで、自宅にいる時間が増えると、テレビ視聴時間も増えますよね。私はことさら増えてないですけど。今までも長時間見てたので。
 Eテレの「旅する〇〇語」を全部見ている私ですが、今期の「旅するイタリア語」がとても良かったのでオススメです。俳優の小関裕太くんがシチリアでイタリア語を学ぶ姿勢が何しろ素晴らしい。明るく、積極的に、習った語はどんどん使う。好奇心と、なんとか現地の人と会話しようという態度、間違えても前向き。語学学習のお手本のような番組です。3月で完結しましたが4月からすかさず再放送されるので見てください。イタリア語に興味がない人でも楽しめると思います。私自身、イタリア語を学ぶ気はさらさらなかったのですけど、半年見てるうちにいくつかフレーズを覚えてしまいました。そして小関裕太くんのファンになってしまいましたよ。
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2020年03月22日

明石の姫君の入内D

あれも中止、これも中止。ブログは続けますのでよろしくお願いします。
〈本文〉
おほかたの寄せおぼえよりはじめ、なべてならぬ御ありさま容貌(かたち)なるに、宮も、若き御心地に、いと心ことに思ひきこえたまへり。いどみたまへる御方々の人などは、この母君のかくてさぶらひたまふを、瑕(きず)に言ひなしなどすれど、それに消(け)たるべくもあらず。いかめしう、並びなきことは、さらにもいはず、心にくくよしある御けはひを、はかなきことにつけても、あらまほしうもてなしきこえたまへれば、殿上人なども、めづらしきいどみ所にて、とりどりに、さぶらふ人々も、心をかけたる女房の用意ありさまさへ、いみじくととのへなしたまへり。
 上もさるべきをりふしには参りたまふ。御仲らひあらまほしううちとけゆくに、さりとてさし過ぎもの馴れず、侮(あなづ)らはしかるべきもてなし、はた、つゆなく、あやしくあらまほしき人のありさま心ばへなり。
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〈juppo〉家にいてばかりで身体がなまってきますね。私はスマホのアプリを使ってストレッチしています。それと著しく曜日の感覚がなくなってきました。テレビ番組が頼りですが特番の多いこの時期は注意が必要です。金曜日なのにチコちゃんがなくて「ファミリーヒストリー」だったりすると、週末感が薄れまくりです。
家にいれば安心であっても、気を引き締めて生活しないといけませんね。

 さて「明石の姫君の入内」も5回まで来て残すはあと1回です。古文にはよくある「文に主語がない」問題がこの箇所では顕著です。特に「とりどりに、さぶらふ人々も〜なしたまへり」の部分、よくわからないまま描きましたが、「さぶらふ人々」は殿上人に仕える女官たちのことで、「心をかけたる女房」は「心をかけたる」が姫君のことで、「女房」は姫君に仕える女官のことですよね。そして「ととのへなしたまへり」は、明石の君がその女官たちを仕込んでいる、てことですね。あーややこしい。

 ところで3コマ目はちょっと遊びました。このブログの漫画はいつも「マル描いてちょん」な絵でお届けしていますが、楽に描けるからそういう絵でやっているだけで、描こうと思えばこんな絵も描けるんだからぁ、という気持ちが時々抑えられなくなって遊んでしまいます。念のために姫君です、これ。

 そういうわけで次回はいよいよ最終回です。土曜日深夜に「おしん」一週間分まとめ放送を見ながら最近は更新していましたが、今日で終了なんですよねぇ。来週は「はね駒」まとめ放送を見ながらになるのでしょうか。
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2020年03月15日

明石の姫君の入内C

自分が普通に生活していても、行動範囲が狭められてはいます。続きです。
〈本文〉
またいと気高(けだか)う盛りなる御けしきを、かたみにめでたしと見て、そこらの御中にもすぐれたる御心ざしにて、並びなきさまに定まりたまひけるも、いと道理(ことわり)と思ひ知らるるに、かうまで立ち並びきこゆる契りおろかなりやはと思ふものから、出でたまふ儀式のいとことによそほしく、御輦車(てぐるま)などゆるされたまひて、女御(にようご)の御ありさまに異(こと)ならぬを、思ひくらぶるに、さすがなる身のほどなり。
 いとうつくしげに雛(ひひな)のやうなる御ありさまを、夢の心地して見たてまつるにも、涙のみとどまらぬは、ひとつものとぞ見えざりける。年ごろよろづに嘆き沈み、さまざまうき身と
思ひ屈(く)しつる命も延べまほしう、はればれしきにつけて、まことに住吉の神もおろかならず思ひ知ら流。思ふさまにかしづききこえて、心及ばぬこと、はた、をさをさなき人のらうらうじさなれば、
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〈juppo〉ただでさえ行動範囲が制限されているところに、この土曜日東京はまさかの雪。不本意ながら引きこもる週末です。

 紫の上と明石の君は、隔たりなく相対している間にもお互いをじっくり観察して思いを巡らせているのですね。今回は特に、明石の君が紫の上と自分を比較して落ち込んだり安堵したりしています。一コマごとに揺れ動く乙女な心の明石の君は、「枕草子」で中宮様に相対している時の清少納言さんを思い起こしますね。私の描くキャラがほとんど同じだからそう見えるのかもしれませんけれども。

 唐突に「住吉の神」に感謝していますが、明石の君はこの神様に毎年参詣していたことがあったようです。神頼みは祈るだけでなく、成就した暁には感謝の念を忘れないことが肝心ですね。

 「をさをさ」は「めったに」とか「ほとんど」という意味で、「らうらうじ」は「才気がある」というような意味です。
 明石の姫君の可愛らしさも並大抵でないようですが、母である明石の君もタダモノではない、出来た女性なんですね。
posted by juppo at 00:48| Comment(0) | 源氏物語 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年03月08日

明石の姫君の入内B

実は私はあまり危機感を持たずに普通に生活しています。花粉症も今年は軽い方なので、マスクもしないでしのいでます。家にまだマスクはあるんですけどね。
〈本文〉
 御参りの儀式、人の目おどろくばかりのことはせじと思しつつめど、おのづから世の常のさまにぞあらぬや。限りもなくかしづきすゑたてまつりたまひて、上(うへ)はまことにあはれにうつくしと思ひきこえたまふにつけても、人に譲るまじう、まことにかかることもあらましかばと思す。大臣(おとど)も宰相の君も、ただこのこと一つをなん、飽かぬことかなと思しける。三日過ごしてぞ、上はまかでさせたまふ。
 たちかはりて参りたまふ夜(よ)、御対面あり。「かくおとなびたまふけぢめになん、年月のほども知られはべれば、うとうとしき隔ては残るまじくや」となつかしうのたまひて、物語などしたまふ。これもうちとけぬるはじめなめり。ものなどうち言ひたるけはひなど、むべこそはとめざましう見たまふ。
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〈juppo〉もっとも私の普通の生活には満員電車に乗ったり、人の多いオフィスにいる時間が長い、なんて場面がもともとないので、生活を大きく変える必要がないのですね。感染予防のためとはいえ、不自由を強いられている方には申し訳ないほどです。

 姫君の育ての親と産みの親である、紫の上と明石の君が今回初対面です。お互いに姫の「母」としてお互いを意識しつつ、やはりその裏には源氏に「愛される人」としてのお互いを見てますよね。

 「飽かぬ」は「飽く」で、口語では「飽きる」ですが、もとは「十分だ」とか「満足する」という意味の語だったんですね。今の「飽きる」の意味で使うようになったのは江戸時代からだそうです。
 こんな風に、もとの意味と反対になってしまった言葉って他にもありますよね。今思いつかないですけど。もし時間を持て余していて興味があったら是非、調べてみてください。
 公共の施設はどこも閉鎖中で、家にいるしかない春休みなのかと思いますが、今はこうしてネットでも情報が得られる時代ですからねえ。PCやスマホにばかり向き合っているのはあまり良くないと思いますけども。
posted by juppo at 00:56| Comment(0) | 源氏物語 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年02月29日

明石の姫君の入内A

突然降って湧いた長すぎる春休み、皆様いかがお過ごしでしょうか。続きです。
〈本文〉
人の装束(さうぞく)何かのことも、やむごとなき御ありさまに劣るまじくいそぎたつ。尼君なん、なほこの御生(お)ひ先(さき)見たてまつらんの心深かりける、いま一(ひと)たび見たてまつる世もやと、命をさへ執念(しふね)くなして念じけるを、いかにしてかはと思ふも悲し。その夜は、上(うへ)添ひて参りたまふに、御輦車(てぐるま)にも、立ちくだりうち歩みなど人わるかるべきを、わがためは思ひ憚(はばか)らず、ただかく磨きたてたてまつりたまふ玉の瑕(きず)にて、わがかくながらふるを、かつはいみじう心苦しう思ふ。
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〈juppo〉全6回のうち、今回のみ6コマでお届けします。

 紫の上は源氏の正妻ではないようですが、表向き入内する姫君の母なので、花嫁の付き添いとして最前列に立つのは当然なのだけれども、明石の君としては姫の産みの母として、自分も劣らず姫君のために何かしたい、しかしながらそれが入内の汚点になってしまったら、と悶々としていますね。
 「いそぎたつ」はここでは「準備を始める」という意味です。「輦車」は人の手で引く車です。「立ちくだり」はランクが一段落ちることで、紫の上は車で参内するのに自分は歩いてついていかなければならない立場なのを、自分はイイけど姫にとってはどうかな、とあれこれ悩んでいます。手放した我が子にまた会うために長生きすることを念じていたのに、こんなことになるとは生きながらえたことすら心苦しいと。ままならないものですね。

 学校が休みになっても、人の多く集まるところには行けない、そもそもテーマパーク等も閉鎖中。家にずっといろと言われても・・・と、皆さんも明石の君同様頭を抱えていることと思います。何より、卒業やクラス替えでお別れになる友たちとこんな形で解散になるなんて、なんでこんなことになっちゃったの?な事態ですよね。災難としか言いようがないですが、予想外に得た時間をどうぞ有効に使ってください。このブログを隅々まで読んでみる、とか。
 そして何か思い出に残る春にできたらいいですね。感染が収束して、皆が笑顔で迎える春が1日も早く訪れることを祈りつつ、次回に続きます。
posted by juppo at 21:25| Comment(0) | 源氏物語 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年02月24日

明石の姫君の入内@

お待たせしました!いよいよ本編スタートです!!
〈本文〉
 かくて、御参りは北の方添ひたまふべきを、常にながながしうはえ添ひさぶらひたまはじ、かかるついでに、かの御後見(うしろみ)をや添へまし、と思す。上(うへ)も、つひにあるべきことの、かく隔たりて過ぐしたまふを、かの人もものしと思ひ嘆かるらむ、この御心にも、今はやうやうおぼつかなくあはれに思し知るらん、方々(かたがた)心おかれたてまつらんもあいなし、と思ひなりたまひて、「このをりに添へたてまつりたまへ。まだいとあえかなるほどもうしろめたきに、さぶらふ人とても、若々しきのみこそ多かれ。御乳母(めのと)たちなども、見及ぶ事の心いたる限りあるを、みづからはえつとしもさぶらはざらむほど、うしろやすかるべく」と聞こえたまへば、いとよく思しよるかなと思して、「さなん」とあなたにも語らひのたまひければ、いみじくうれしく、思ふことかなひはつる心地して、
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〈juppo〉このシリーズは全6回です。もう全部描きました。思いのほか時間がかかったのはやっぱり『源氏物語』だからです。や、や、こしいぃ。ちょっと何言ってるかわからない話が延々続くので、訳本にかなり頼りましたが、絵にする以上誰が誰に話してるのかとか、誰のことを思ってるのかとか、整理しないわけにいかず、誰のことかわかってみると新たに「それは一体誰」な疑問が浮かぶため、ウィキペディアの解説などにも当たりながら描きました。エピソード0で人物相関図を作っておいたのは結局その後自分のためにもなったのでありました。

 冒頭いきなり「かくて」で始まるのはその前にもいろいろなお話があったからですが、その辺は全く不勉強なまま描いています。多分、いろいろあって明石の姫君が東宮に入内することになったいきさつとか、それに関する話とか、あるいは全く別の場面の物語が綴られていたかもしれません。いずれ機会があればその辺もご紹介できたら。

 そういうわけで、入内する姫君が一応ヒロインなのかなとも思いますが、実はその実母の明石の君と、姫の育ての親である紫の上の両人がお互い気を遣いあい脚光を浴びあい、後ろで源氏がそれを見守る、というような章になってます。それほど大きな動きのあるドラマでもないです・・なんて初回にぶっちゃけてどうする。でもそんな感じです。

 ともかく次回は近いうちに。
posted by juppo at 23:10| Comment(0) | 源氏物語 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月31日

明石の姫君の入内⓪

あけましておめでとうございます、なんて挨拶が適当かどうかわからない月末です。リクエストにお応えします。今年は『源氏物語』からのスタートです!
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〈juppo〉今年は長年リクエストを放置していた「明石の姫君の入内」から描こう、といろいろ準備をしていたものの、徳勝龍をひたすら応援した初場所も終わってしまい、ブログを更新しないまま1月を見送りそうになったので、ブログ始まって以来の「エピソード・ゼロ」をお送りします。

 要するに人物相関図なんですけど、何しろ込み入っています。出てくる女性がほぼ全員源氏と関わりがあるくらいの知識で読んでも大丈夫だと思いますが、名前が唐突に出てきて「誰!?」とならないように、ある程度整理しておきました。分かる範囲で描いたので、皆さんも分かる範囲で理解してください。全員同じ顔に見えるかもしれませんが、顔だけで見分ける必要はないと思うのでご容赦ください。

 「入内」とはロイヤルファミリーに嫁として入ることです。明石の姫君は東宮(皇太子)のお嫁さんになるのです。東宮について詳しい家系図を描きませんでしたが、この方は桐壺帝の第一皇子・朱雀帝の第一皇子です。桐壺帝は源氏のお父さんですから、東宮は源氏の甥に当たるんですね。
 紫の上は以前「北山のかいまみ」でご紹介した、源氏が覗き見していた幼女です。この図の中だけでも源氏と結ばれている女性は複数いるんですけど、とりあえず一番愛してるのが現時点では紫の上のようです。
 破線の矢印で結んだ関係は「矢印元」が「矢印先」の「養子/養女/養母」になると解釈してください。必要条件・十分条件みたいです。

 そういうわけで、次回からいよいよ本編をご紹介します。とはいえ、まだ下描きが1枚入ったくらいなので、気長にお待ちくださいね。

 そうこうしつつ、母の介護は続いています。こちらも気長にやっています。新年早々転んで私の方がケガしたり、腰や肋骨を痛めたり、満身創痍でやってますが母は少しずつ元気を取り戻しております。私も今のところ、元気です!

 本年もどうぞよろしくお願いします。

 
posted by juppo at 22:22| Comment(0) | 源氏物語 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月28日

須磨の秋A

お待たせしました!続きです。
〈本文〉
げにいかに思ふらむ、わが身ひとつにより、親はらから、片時たち離れがたく、ほどにつけつつ思ふらむ家を別れて、かくまどひあへる、とおぼすにいみじくて、いとかく思ひしづむさまを心ぼそしと思ふらむとおぼせば、昼は何くれとうちの給ひまぎらはし、つれづれなるままに、いろいろの紙を継ぎつつ手習ひをしたまひ、めづらしきさまなる唐(から)の綾(あや)などにさまざまの絵(ゑ)どもをかきすさび給へる屏風(びやうぶ)の面(おもて)どもなど、いとめでたく見所あり。人々の語りきこえし海山のありさまを、はるかにおぼしやりしを、御目に近くては、げにをよばぬ磯のたたずまひ、二(に)なくかき集め給へり。「このごろの上手(じやうず)にすめる千枝(ちえだ)、常則(つねのり)などを召してつくり絵仕(つか)うまつらせばや」と心もとながりあへり。なつかしうめでたき御さまに、世のもの思ひ忘れて、近う馴れ仕うまつうるをうれしきことにて、四五人ばかりぞつとさぶらひける。
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〈juppo〉前回から何やら悩んでいる光源氏でしたが、今回も冒頭から悩んでいます。自分に仕えてくれている人たちの心情にまでシンクロして思い悩んでいます。さらに、自分がいじいじ悩んでいると周りの人が気を遣うのではと悩んでいるようです。いい人ですね、光源氏。モテるだけのことはありますね。その上、手慰みに始めたらしき絵や書にも才能を発揮しています。モテ男に死角なし、な場面ですね。
 前回は琴を弾くシーンもありましたが、そこで歌っていたのは物語中唯一、オリジナルの和歌なんですって。それ以外はほとんど、催馬楽(さいばら)という平安時代に流行っていた歌謡を歌っているらしいです。
 ・・という情報を、前回書くつもりで忘れていました。

 5コマ目で、都の人が海や山の様子を話していますが、これは『若紫』の中でこういうシーンがあるそうですね。知らずに描いています。いずれその場面も漫画にする日が来るのでしょうか。

 千枝と常則は村上天皇時代の絵師だそうです。常則さんは飛鳥部常則という名で、「栄華物語」にも登場しているとか、絵は残ってないけど評伝は伝わってるんですね。一方、千枝さんについての詳細は不明のようです。
 ともかく、そういう有名な画家を呼んできて、源氏の描いた線画に着色させてみたいものだ、と皆で褒めているところです。褒めているのかサービスコメントなのか、真偽はわからないですけど、ずっとお仕えしていた人たちのことですから、本気の賞賛なんでしょう。本文の「四五人」はもちろん、四、五人のことで四十五人ではありません。
 

P.S. ame先生、ありがとうございました!
posted by juppo at 18:25| Comment(0) | 源氏物語 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする